特別地方交付税の額の決定取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 総務大臣から地方交付税法15条2項の規定に基づき令和元年度の第1回目及び第2回目の特別交付税の額の各決定を受けた地方団体(上告人)が、国を相手に、上記各決定の取消しを求めた行政訴訟である。原審(大阪高等裁判所)は、地方団体が国から地方交付税の分配を受けられるか否かに関する紛争は、行政主体間の法規の適用の適正をめぐる一般公益保護を目的とする係争であり、裁判所法3条1項の「法律上の争訟」に当たらないとして、本件訴えを却下していた。 【争点】 地方団体が特別交付税の額の決定の取消しを求める訴えが、裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」に該当するか否か。 【判旨】 最高裁は、原審の判断を是認できないとして原判決を破棄し、大阪高裁に差し戻した。まず、「法律上の争訟」とは、当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、法令の適用により終局的に解決できるものをいうとの判例法理を確認した。そのうえで、地方団体は国とは別個の法人格を有し、地方交付税は地方自治の本旨の実現に資するため、使途の制限なく交付されるものであること、特別交付税の具体的な額は総務大臣の決定により定まることから、特別交付税の交付の原因となる国と地方団体との間の法律関係は、決定により発生する金銭給付に係る具体的な債権債務関係であると判示した。したがって、地方団体が特別交付税の額の決定の取消しを求める訴えは、国と当該地方団体との間の具体的な権利義務に関する紛争に当たり、また法令の適用により終局的に解決可能であるから、「法律上の争訟」に該当すると判断した。裁判官全員一致の意見である。
裁判要旨
地方団体が特別交付税の額の決定の取消しを求める訴えは、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たる。
参照法条
地方交付税法15条1項、2項、裁判所法3条1項