都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3082 件の口コミ
最高裁

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
令和5(受)14
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
2025年3月3日
裁判種別・結果
判決・棄却
原審裁判所
知的財産高等裁判所
原審事件番号
平成30(ネ)10077

AI概要

【事案の概要】 本件は、動画配信サイト上でコメントを表示するシステムに関する特許権(「表示装置、コメント表示方法、及びプログラム」)を有する被上告人(原告)が、米国法人である上告人エフシーツー・インク及びその日本法人である上告人ホームページシステムに対し、特許権侵害を理由に差止め及び損害賠償等を求めた事案である。上告人らは、米国所在のサーバからインターネットを通じて日本国内のユーザの端末にプログラムを配信し、動画の再生に併せてコメントを表示する動画共有サービスを提供していた。本件では、我が国の領域外のサーバから領域内の端末へプログラムを配信する行為が、特許法2条3項1号の「電気通信回線を通じた提供」及び同法101条1号の「譲渡等」に該当し、我が国の特許権の侵害となるかが争われた。 【争点】 国境を越えたプログラム配信行為に対する我が国の特許権の効力の及ぶ範囲が主たる争点である。上告人らは、特許権の属地主義の原則に照らし、我が国の領域外からする配信行為には我が国の特許権の効力が及ばないと主張した。 【判旨】 最高裁は、上告を棄却した。まず、我が国の特許権の効力は領域内においてのみ認められるという属地主義の原則を確認しつつも、電気通信回線を通じた国境を越える情報流通が容易となった現代において、領域外からの送信であることの一事をもって常に特許権の効力が及ばないとすれば、特許法の目的(発明の保護・奨励を通じた産業の発達への寄与)に沿わないと判示した。そのうえで、問題となる行為を全体としてみて、実質的に我が国の領域内における「電気通信回線を通じた提供」に当たると評価されるときは、当該行為に我が国の特許権の効力が及ぶと解すべきであるとした。本件配信については、日本所在の端末のユーザがウェブページにアクセスすると当然に行われるものであり、日本国内の端末上で発明の効果を奏させるものであって、サーバの所在地が国外にあることに特段の意味はないとして、実質的に我が国の領域内における提供に当たると判断した。この理は特許法101条1号の「譲渡等」についても同様であるとした。裁判官全員一致の意見である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。

裁判要旨

1 Yらが、動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末に対し、Xの有する特許権に係るプログラムの発明の技術的範囲に属するプログラムを配信することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法2条3項1号にいう「電気通信回線を通じた提供」に当たる。   ⑴ 上記の配信は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。   ⑵ 上記発明は、動画とコメントの表示範囲を調整等することにより、コメントの読みにくさを低減させるという効果を奏するものであるところ、上記サービスは、上記の配信により上記端末にインストールされた上記プログラムを利用することにより、我が国において、上記の調整等がされた動画をユーザに視聴させるものである。   ⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信が、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。 2 Yらが、動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末に対し、Xの有する特許権に係る装置の発明の技術的範囲に属する装置の生産にのみ用いるプログラムを配信することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法101条1号にいう「譲渡等」に当たる。   ⑴ 上記の配信は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。   ⑵ 上記発明は、動画とコメントの表示範囲を調整等することにより、コメントの読みにくさを低減させるという効果を奏するものであるところ、上記サービスは、上記の配信及びそれに引き続く上記プログラムの上記端末へのインストールによって、上記装置が我が国の領域内で生産され、それが使用されるようにし、我が国において、上記の調整等がされた動画をユーザに視聴させるものである。   ⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信が、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。

参照法条

(1、2につき)特許法68条、特許法第4章第2節 権利侵害 (1につき)特許法2条3項1号 (2につき)特許法101条1号

判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。