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知財

特許権侵害行為差止等請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和6(ネ)10026
事件名
特許権侵害行為差止等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2025年3月4日
原審裁判所
大阪地方裁判所
原審事件番号
令和4(ワ)9521

AI概要

【事案の概要】 本件は、「熱可塑性樹脂組成物とそれを用いた樹脂成形品および偏光子保護フィルムならびに樹脂成形品の製造方法」に関する特許(特許第4974971号)の特許権者である控訴人(株式会社日本触媒)が、被控訴人(株式会社カネカ)による樹脂製品の製造販売等が上記特許権(請求項1及び6)の侵害に当たると主張して、差止め及び10億円の損害賠償等を求めた事案の控訴審である。本件特許は、主鎖に環構造を有する熱可塑性アクリル樹脂と、ヒドロキシフェニルトリアジン骨格を有する分子量700以上の紫外線吸収剤(UVA)とを含み、110度以上のガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂組成物等に関するものである。被控訴人製品に使用されるUVAの分子量は699.91848であり、構成要件の「分子量が700以上」を充足するか否かが最大の争点となった。原審は控訴人の請求を全部棄却し、控訴人がこれを不服として控訴した。 【争点】 (1) 構成要件1B・6Bの「分子量が700以上」の充足性(分子量699.91848のUVAが「700以上」に該当するか、四捨五入により700とみなせるか) (2) 均等侵害の成否(第1要件・第5要件の充足性) (3) 特許の有効性(進歩性欠如、サポート要件違反、明確性要件違反) (4) 訂正の再抗弁の成否 (5) 損害額 【判旨】 控訴棄却。裁判所は、まず文言侵害について、特許請求の範囲における「分子量が700以上」という数値限定は、権利者が権利範囲を画定するために自ら任意に定めた数値であり、「端数のある数値」を丸めて記載したものではないと判断した。控訴人はJIS基準による四捨五入の技術常識を援用したが、裁判所は、JIS基準は所与の端数を丸める場面を想定したものであり、権利範囲を画するために自ら創設した数値に適用すべきものではないとした。また、丸めの幅の選択が恣意的になり得る点でもクレーム解釈の基準として不適切であるとした。学者の意見書が示す技術常識(分子量を整数値で表記する場合は四捨五入が通常)についても、技術文献における一般的理解と特許請求の範囲の法的解釈は次元の異なる問題であるとして、クレーム解釈にそのまま妥当させることを否定した。均等侵害については、第1要件(非本質的部分)は充足すると認めたものの、第5要件(意識的除外)について、控訴人が分子量に臨界的意義がないにもかかわらず「700以上」という整数値をあえて使用し、「699.5以上」等とすることも容易にできたのにそうしなかったことは、700未満の分子量を技術的範囲から除外することを客観的・外形的に承認したものと認定し、均等侵害も否定した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。