AI概要
【事案の概要】 本件は、動画共有サイト「ツイキャス」において有料会員限定で動画を配信していた原告が、氏名不詳の投稿者(本件投稿者)によって、原告の配信動画を複製した動画ファイルを無料でダウンロードできるURL(ギガファイル便のダウンロードページURL)がインターネット上の電子掲示板に投稿・公開されたことにより、原告の著作権(公衆送信権)が侵害されたと主張して、被告(GMOインターネットグループ株式会社)に対し、プロバイダ責任制限法5条1項に基づき、本件投稿者の氏名・住所・電話番号・メールアドレスの開示を求めた事案である。原告は有料会員から月額料金の支払を受けて収益を上げる営業活動を行っており、本件配信動画は有料会員限定で約3週間配信されたものであった。本件投稿者は、ギガファイル便にアップロードされた本件配信動画の複製動画ファイルのダウンロードURLを、原告のチャンネルに関する電子掲示板のスレッドに投稿した。 【争点】 主な争点は、本件記事の投稿によって原告の著作権(公衆送信権)が侵害されたことが明らかであるといえるかであった。被告は、本件投稿者が動画ファイルをギガファイル便にアップロードした者と同一人物であるとは限らず、アップロード時点で既に送信可能化がなされているため、本件記事の投稿によって重ねて送信可能化がされたとはいえないと反論した。 【判旨】 裁判所は請求を認容した。まず、本件配信動画は原告が制作・録画した動画であり、映画の著作物に該当し、著作権者は原告であると認定した。次に、ギガファイル便の仕組みとして、アップロードされたファイルのダウンロードページURLはファイル名等から検索できず、アップロードした者にしかわからないことを認定した。その上で、本件記事の投稿前には、本件URLがインターネット上で公開されるなど不特定又は多数の者に知られていた事情はうかがわれないことから、本件動画ファイルは本件記事の投稿によって初めて不特定又は多数の者がダウンロードできるようになり、自動公衆送信されるに至ったと判断した。本件投稿者がアップロード者と同一人物であるかは不明であるものの、本件記事の投稿自体が公衆送信権侵害を直接的にもたらしていると認定し、発信者情報の開示を命じた。