AI概要
【事案の概要】 被告人(当時82歳)は、長男である被害者(当時50歳)が高校生の頃に交通事故に遭い、重い後遺症により日常生活において全介助が必要な状態となって以降、30年以上にわたり献身的に介護を続けてきた。しかし、被告人自身も高齢となり病気を患うようになる中、令和6年12月7日午前5時頃、滋賀県野洲市の自宅において、発作等に苦しみながら自身による介護の継続に限界を感じ、将来への不安から被害者の殺害を決意した。被告人は被害者に「一緒に死のうか。」などと声を掛けて承諾を得た上で、寝たきり状態の被害者の頸部を結束バンドで締め付け、頭部にポリ袋をかぶせ、さらに頸部を両手で圧迫し、同日午前9時28分頃、搬送先の病院において被害者を窒息により死亡させた。犯行後、被告人も自殺を図ったが、駆けつけた家族に止められた。 【判旨(量刑)】 裁判所は、承諾があったとはいえ人の命を奪う行為は許されず、被害者の死亡という結果は重大であると指摘した。また、被告人の介護負担を軽減し得る選択肢もあった中で、週末だけ施設から被害者を自宅に連れ帰って介護し、父親としての責任感から近隣に住む子らに頼ることもせず、介護の負担を自ら抱え込んで思い詰めた結果犯行に至ったこと、強固な犯意に基づく態様であったことは非難されるべきとした。他方、被告人の長年にわたる献身的な介護は周囲も認めるところであり、被害者の回復を強く願っていた被告人が突発的に犯行に及んだ経緯は相応に斟酌すべきであるとした。さらに、被告人が深く反省し日々被害者の供養をしていること、親族が寛大な処罰を望んでいること、息子が被告人の監督を約束したこと、前科がないこと等の事情を考慮し、懲役3年・執行猶予4年を言い渡した(求刑懲役4年)。