都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3092 件の口コミ
行政

法人税更正処分等取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4(行ウ)581
事件名
法人税更正処分等取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2025年3月11日

AI概要

【事案の概要】 原告は、大阪市の卸売市場において青果物等の委託販売取引を行う卸売業者である。原告は、全国農業協同組合連合会(全農)等の委託者(本件各取引先)から販売委託を受けた青果物等を仲卸業者等に販売していたが、一部の取引において、仲卸業者等への実際の販売価格(実販売価格)よりも高い価格(増仕切価格)を売買仕切書等に記載し、委託者にはこの増仕切価格を基準とした金額を支払っていた。原告は、増仕切価格と実販売価格との差額から委託手数料の差額を控除した金額(本件差額)を自ら負担し、法人税の確定申告においてこれを損金の額に算入した。また、消費税等の確定申告においても、増仕切価格と実販売価格との差額(本件売上雑損)に係る消費税相当額を「売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額」として控除した。これに対し、税務署長は、本件差額は法人税法37条7項の「寄附金の額」に該当し損金算入できないこと、また本件売上雑損は消費税法38条1項の「売上げに係る対価の返還等」に該当しないとして、平成28年3月期から平成31年3月期までの法人税・地方法人税・消費税等について更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を行った。原告がこれら処分の取消しを求めて提訴した事案である。 【争点】 1. 本件差額が法人税法37条7項の「寄附金の額」に該当するか否か 2. 本件売上雑損に係る消費税額が消費税法38条1項又は同法30条1項により課税標準額に係る消費税額から控除されるか否か 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。 争点1について、裁判所は、法人税法37条7項の「寄附金」とは、民法上の贈与に限らず、経済的にみて贈与と同視し得る資産の譲渡又は経済的利益の供与をいい、具体的には(1)金銭等を対価なく他に移転する場合であって、(2)通常の経済的取引として是認できる合理的な理由が存在しないものを指すとの判断枠組みを示した。その上で、市条例・約款・基本契約書に本件差額の負担根拠となる定めは存在せず、本件各取引先との個別的合意に基づく負担とも認められないと認定した。本件各取引先が原告に本件差額の負担を要請した事実や、負担しなかったことで取引を消失した事実も認められず、本件差額の負担の要否・金額は専ら原告の判断に委ねられ、本件各取引先は原告がどの取引でどの程度の差額を負担しているか具体的に認識していなかったと認定した。したがって、本件差額は対価なく経済的利益を移転するものであり、本件各取引先が差額負担を認識していない以上、出荷継続等の便宜を図る前提を欠き、原告の期待は主観的なものにすぎないとして、合理的な理由も存在しないと判断した。原告が主張した業界慣行の存在や出荷奨励金との類似性についても、出荷奨励金は市条例に根拠があり交付先が認識できる点で本件差額とは異なるとして排斥した。 争点2について、本件売上雑損は対価として支払われたものではないから「課税仕入れに係る支払対価の額」にも「売上げに係る対価の返還等の金額」にも該当せず、消費税額からの控除はできないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。

裁判要旨

委託を受けて青果物等の仲卸業者等への販売等を行う卸売業者が、仲卸業者等に対する販売価格について、実際の販売価格よりも高い販売価格を売買仕切書等に記載し、委託者に対し、売買仕切書等に記載した販売価格からこれに対する委託手数料を控除した金額を支払うことにより、この金額から、実際の販売価格からこれに対する委託手数料を控除した金額を差し引いた差額を負担していた場合において、委託者が上記卸売業者に対し上記差額を負担するよう要請したものと認めることはできず、上記差額の負担の要否及び負担する場合におけるその額の判断は、飽くまでも上記卸売業者に委ねられ、委託者は、上記卸売業者がどの取引でどの程度の上記差額を支払っているかを具体的に認識していなかったなどの判示の事情の下では、上記差額は「寄附金の額」(法人税法37条7項)に当たる。

判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。