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下級裁

殺人未遂被告事件

判決データ

事件番号
令和6(わ)57
事件名
殺人未遂被告事件
裁判所
水戸地方裁判所 刑事第1部
裁判年月日
2025年3月11日

AI概要

【事案の概要】 被告人は、マッチングアプリで知り合った不特定多数の男性との性交渉により妊娠したが、かねてから生理不順であったことや、吐き気を逆流性食道炎によるものと考えたことから、妊娠に気付かないまま過ごしていた。令和5年11月2日早朝、茨城県土浦市の自宅トイレで排便しようといきんでいるうちに男児Aを出産した。被告人は、出産の事実が父や姉に知られると怒られる、自分の人生がめちゃくちゃになると考え、Aを下水道に流して出産をなかったことにしようとした。午前7時52分頃から午前8時33分頃までの間、気温約10℃の中、水洗式和式便器内に出産直後の裸の新生児Aを入れたまま、水洗レバーを回して複数回洗浄水を流すとともに、トイレブラシでAの身体を押して排水口に入れようとした。その後、友人にLINEで相談したりNPO法人に電話するなどする中でAの救命を決意し、午前9時17分頃に自ら119番通報して救急搬送させた。Aは命を取り留めたものの、低酸素性虚血性脳症・脳軟化症等により最重度の精神運動発達遅滞等の後遺症(全治不能)が残った。 【争点】 弁護人は、(1)被告人の行為は人を死亡させる現実的危険性を有しておらず不能犯が成立し傷害罪にとどまること、(2)被告人は軽度知的障害等により本件犯行当時少なくとも心神耗弱であったことを主張した。裁判所は、(1)について、自由に動けない新生児がうつ伏せの状態で便鉢内にいる中、洗浄水を複数回流し水に晒し続ける行為は窒息死や低体温による死亡の現実的危険性が十分認められるとして不能犯の成立を否定した。(2)について、精神鑑定の結果、犯行当時の精神障害は軽度知的障害のみであり犯行への直接的影響はないとされたこと、被告人が自らの行為の違法性を認識し、NPO法人への相談や友人への連絡、119番通報など状況に応じた行動をとれていたことから、完全責任能力を認めた。 【判旨(量刑)】 裁判所は、危険かつ執拗な態様で我が子に対する無慈悲で残酷な犯行であり、Aの後遺症は殺人未遂の中で最も重大な部類に属すると指摘した。予期せぬ出産に至った経緯には軽度知的障害の影響を認めつつも、危険性の高い行為に及んだ意思決定は十分非難に値するとした。中止未遂の成立は認めたものの、自己保身により直ちに通報せず救護まで相応の時間を要したことから、有利な事情として大きく考慮することはできないとした。同種事案の中で重い部類に属し執行猶予を付すべき事案ではないとして、求刑懲役6年に対し懲役4年を言い渡した(未決勾留日数270日算入)。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。