AI概要
【事案の概要】 本件は、原告ら(原告A、原告B、原告C)が、被告に対し、被告がYouTubeを運営するGoogle LLCに対して原告らの投稿動画について各種通知フォーム(著作権侵害、プライバシー侵害、名誉毀損)から通知を行ったことが違法であると主張して、民法709条に基づく損害賠償を求めた事案である。被告は登録者数100万人超のユーチューバーであり、原告らも各自YouTubeチャンネルを開設して動画を投稿していた。被告の通知の結果、一部の動画がYouTube上で再生不能となり、一部は日本国内でブロックされ、原告Cのチャンネル全体が削除されるなどの影響が生じた。原告Aは約136万円、原告B及び原告Cはそれぞれ110万円の損害賠償を請求した。 【争点】 主な争点は、(1)被告が一部の通知(本件通知10、11、13、14)をしたか、(2)被告による各通知が原告らに対する不法行為に当たるか、(3)損害額である。原告らは、著作権侵害でないのに著作権侵害通知フォームから通知すれば無条件に動画が削除されるため違法であること、プライバシー権侵害やの事実がないのに各通知をしたこと、被告が批判動画投稿者に不当な圧力をかける目的で各通知フォームを悪用したことを主張した。被告は、Googleが独自の裁量で審査・判断しており無条件に削除するものではないこと、各通知はパブリシティ権侵害等の相応の根拠に基づくものであること等を主張した。 【判旨】 裁判所は、原告らの請求をいずれも棄却した。争点1について、対象動画の内容等を示す証拠がなく、被告がこれらの通知をしたとは認められないとした。争点2について、著作権侵害通知フォームからの通知に関し、Googleが必要事項の記載があれば無条件に動画を削除していたとは認められず、実際に審査・却下した例もあることから、著作権侵害以外の理由で同フォームから通知すること自体が直ちに違法とはいえないとした。被告の通知にはパブリシティ権侵害等を主張する相応の根拠が記載されており、殊更に虚偽の事実に基づく通知とはいえないとした。プライバシー侵害通知についても、Googleは法律上のプライバシー権侵害まで求めておらず、自分の氏名や画像が映り不快に感じる場合に通知できる仕組みであるから、直ちに違法とはいえないとした。名誉毀損通知についても同様に、動画中に「詐欺師」等の文言が実際に含まれていた以上、通知フォームの悪用に当たる余地はないとした。不当目的による悪用の主張も、被告の配偶者の発言等からは推認に足りないとして排斥した。