出入国管理及び難民認定法違反、大麻取締法違反、建造物侵入、窃盗被告事件
判決データ
- 事件番号
- 令和6(わ)455
- 事件名
- 出入国管理及び難民認定法違反、大麻取締法違反、建造物侵入、窃盗被告事件
- 裁判所
- 熊本地方裁判所
- 裁判年月日
- 2025年3月12日
- 裁判官
- 賀嶋敦
AI概要
【事案の概要】 ベトナム国籍の被告人は、技能実習生として平成31年4月に来日し、在留資格の変更申請中に在留期間が満了したにもかかわらず出国せず、令和4年6月から令和6年9月まで約2年3か月にわたり三重県伊賀市内に不法残留した(第1)。また、共犯者らと共謀の上、令和6年5月8日未明、熊本県上益城郡の盆栽業者の敷地に塀を乗り越えて侵入し、盆栽33点(販売価格合計約1880万円相当)を約30分の短時間で窃取した(第2)。さらに、氏名不詳者と共謀の上、営利目的で、令和6年6月下旬頃から同年9月24日までの間、三重県伊賀市内の家屋において、水や肥料を与え照明器具で照射するなどして大麻草121株を栽培した(第3)。 【判旨(量刑)】 裁判所は、量刑の中心となる建造物侵入・窃盗について、夜間に塀を登って侵入し盆栽を持ち出す者・塀の下で受け取る者・車に積み込む者と役割を分担した大胆かつ組織的背景のうかがわれる犯行であると指摘した。被害額は約1880万円と高額で、被害弁償はなされておらずその見込みもない。被告人は報酬目的で犯行に加担し、実行役3人のうちの1人として塀の下で盆栽を受け取り積み込む者に渡すなど、犯行完遂に重要な役割を果たした。大麻の営利目的栽培についても、121株と多数に上り、販売のための顧客を探していたことから相当量の大麻の害悪を拡散し得る悪質な犯行であるとした。被告人は氏名不詳者が準備した設備の整った家屋に住み込み、栽培方法の指南を受けつつも主として1人で栽培しており、犯行に不可欠な役割を果たしたと認定した。不法残留についても約2年3か月にわたり出入国管理行政を害したと評価した。被告人が指示役の指示を受けて実行する立場に過ぎなかったこと、窃盗の報酬が被害額に比して少額であること、大麻栽培では報酬を得ていないことを考慮しても、執行猶予付き懲役刑が相当な事案とは到底いえないとし、本邦における前科がないことなどの事情も踏まえ、求刑(懲役8年・罰金70万円)に対し、被告人を懲役6年及び罰金50万円に処した。