AI概要
【事案の概要】 本件は、商標登録取消審判に関する審決取消訴訟である。被告(ルナライト株式会社)は、「LunA」の欧文字を図案化した登録商標(第2700409号)の商標権者であり、指定商品には第10類「医療用機械器具・これらの部品及び附属品」等が含まれていた。原告(スパイナルエレメンツインコーポレーテッド)は、本件商標が第5類及び第10類の指定商品について継続して3年以上使用されていないとして、商標法50条1項に基づく不使用取消審判を請求した。特許庁は、被告が歯科用超音波治療器「バリオス750」のハンドピースに組み込むLED基板Assy(照明ユニット)を製造・販売した行為が、医療用機械器具の部品についての商標の使用に該当するとして、審判請求不成立の審決をした。原告はこれを不服として審決の取消しを求めた。 【争点】 (1) 使用商品(LED基板Assy)が本件請求商品である第10類「医療用機械器具・これらの部品及び附属品」に該当するか(取消事由1)。原告は、被告が製造販売したのは汎用品たるLEDにすぎず、たまたま医療用機械器具に組み込まれたとしても医療用機械器具の部品とはいえないと主張した。また、被告の業態は受託加工であり、商標の使用は加工サービスを表象するサービスマークの使用にすぎないとも主張した。さらに、LED は国際分類上第9類、LED照明器具は第11類に属するから、医療機器に組み込まれても第10類に変質しないと主張した。 (2) 使用商標1及び2が本件商標と社会通念上同一の商標に該当するか(取消事由2)。原告は、本件商標の右端の「A」は図形的要素であり、使用商標1はその図形部分を120度回転させ形状を変更したものであること、使用商標2は欧文字「LUNA」にすぎず本件商標とは構成が異なることから、社会通念上同一とはいえないと主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。 取消事由1について、裁判所は、被告がナカニシ社からの発注に基づき、バリオス750のハンドピースに取り付けるLED基板Assyとして使用商品を設計・製造したこと、使用商品をバリオス750のハンドピースに取り付ける以外の用途に使用することはできないことを認定し、使用商品は医療機器の専用部品であって汎用品ではないと判断した。原告の加工サービスに関する主張については、被告は使用商品を製造しナカニシ社に販売したのであり、その納入に際して商標を表示したのであるから、商品についての商標の使用がされたものであって、加工の役務についての使用には当たらないとした。また、構成部品のLEDが第11類、抵抗基板が第9類に属するとしても、これらを組み合わせて製造された使用商品全体の商品分類を考慮すべきであるとして、原告の主張を退けた。 取消事由2について、裁判所は、本件商標の右端の部分は欧文字「A」を図案化したものであると一般に認識されるとし、使用商標1及び2はいずれも本件商標と構成文字、称呼(「ルナ」)及び観念(「月の女神」)において共通するから、外観の相違にかかわらず社会通念上同一の商標であると認定し、本件審決の判断に誤りはないと結論づけた。