詐欺、有印公文書偽造等被告事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人Aは、インターネットサービスの企画・開発等を目的とする株式会社Cの実質的経営者である取締役であり、被告人Bは同社の代表取締役であった。被告人両名は共謀の上、大分県の補助金制度を悪用して合計1500万円を詐取し、さらに投資会社から3000万円を詐取した(被害総額4500万円)。具体的には、(1)大分県ビジネスプラングランプリでの受賞を契機に、実際には存在しない業務委託を装い、有限会社E名義の仕様書を偽造して補助金500万円を詐取、(2)同様の手口でIoTプロジェクト推進事業費補助金1000万円を詐取、(3)自社開発の「子ども難病ナビ」システムについて、実際には備わっていないAI機能や売上げがあるかのように虚偽の説明資料・決算報告書を提出し、投資会社L社から3000万円を詐取した。さらに被告人Aは単独で、(4)自己が代表取締役を務める株式会社Rの第三者割当増資に際し、発行済株式の過半数保有を維持するため、虚偽の変更登記申請を行い(電磁的公正証書原本不実記録・同供用)、(5)国東市長名義の公文書を精巧に偽造・行使した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、詐欺の被害総額が4500万円と多額であり、重要書面の偽造・行使を伴う巧妙で悪質な手口であったと指摘した。被告人Aについては、一貫して主導的役割を果たし、虚偽の売上げに対する税金の納付等に窮したという動機に酌むべき点はなく、さらに単独犯である登記の不実記録や公文書偽造も重ねていることから、刑事責任は重く実刑を免れないと判断した。被告人Bについては、終始被告人Aの指示に従い、果たした役割が形式的・名目的であったことから執行猶予の余地があるとした。一般情状として、両被告人が被害者との間で損害賠償の分割弁済合意を成立させ一部弁済していること、破産手続を通じた配当の見込みがあること、犯行を認め反省していることを考慮した。特に被告人Bについては前科がなく、自首して捜査に協力し、破産手続の申立てにも貢献した点を評価した。以上を踏まえ、被告人Aを懲役4年の実刑(求刑懲役6年)、被告人Bを懲役3年・執行猶予5年(求刑懲役3年)とした。