美浜原子力発電所3号機運転期間延長認可処分等取消請求事件、美浜原子力発電所3号機保安規定変更認可処分無効確認請求事件、美浜原子力発電所3号機設置変更許可処分取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 福井県を含む1都1府7県に居住する住民らが、原子力規制委員会が関西電力に対してした美浜発電所3号機に関する設置変更許可処分、工事計画認可処分、保安規定変更認可処分及び運転期間延長認可処分(いずれも平成28年)等が違法であるとして、これらの取消し又は無効確認を求めた行政訴訟である。美浜3号機は昭和51年に営業運転を開始した加圧水型原子炉で、運転開始から40年を超える老朽原発であり、福島第一原発事故後に停止していたが、令和3年6月に再稼働している。 【争点】 主な争点は、(1)原告適格の有無、(2)裁判所の判断枠組み、(3)地震に関する審査の合理性(基準地震動の策定手法、繰り返し地震の考慮、耐震評価等)、(4)火山に関する審査の合理性(降下火砕物の層厚想定、噴火規模の評価等)、(5)中性子照射脆化に関する審査の合理性(圧力容器の破壊靭性評価等)、(6)電気ケーブルの火災防護対策及び老朽化に伴う絶縁低下の評価、(7)使用済燃料の貯蔵施設の安全性及び最終処分問題である。 【判旨】 裁判所は、伊方最高裁判決の枠組みに従い、原子力規制委員会の専門技術的裁量を前提として、具体的審査基準の合理性及び審査判断過程の過誤・欠落の有無を審査した。地震については、基準地震動の策定や耐震評価に関する原告らの主張をいずれも排斥し、審査に不合理な点はないとした。火山については、本件設置変更許可処分時の審査には看過し難い過誤・欠落があったと認めたものの、その後のバックフィット命令を経てされた令和3年設置変更許可処分の審査は合理的であるとした。中性子照射脆化、電気ケーブル及び使用済燃料についても、審査基準や審査判断に不合理な点は認められないとした。以上から、原告適格を欠く一部原告の訴えを却下し、その余の原告らの請求をいずれも棄却した。