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下級裁

松橋事件国家賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和2(ワ)766
事件名
松橋事件国家賠償請求事件
裁判所
熊本地方裁判所 民事2部
裁判年月日
2025年3月14日

AI概要

【事案の概要】 本件は、いわゆる松橋事件の国家賠償請求事件である。昭和60年1月に熊本県松橋町で発生した殺人事件について、任意取調べを経て逮捕・起訴され、有罪判決(懲役13年)を受けて服役した亡Aの相続人である原告らが、再審無罪判決の確定後、熊本県警の警察官による捜査活動及び熊本地検の検察官による公訴提起・公訴追行等が違法に行われたと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、被告県及び被告国に対し、連帯して損害賠償金各約4240万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。亡Aは確定審で有罪判決を受けた後、約12年余りにわたって身体を拘束され、平成31年3月28日に再審無罪判決が確定していた。 【争点】 (1) 熊本県警による任意取調べの違法性の有無、(2) 逮捕後の取調べの違法性の有無、(3) 補充捜査の懈怠の違法性の有無、(4) 公訴提起の違法性の有無、(5) 公訴追行の違法性の有無、(6) 損害額。特に、公訴提起後に発見された「本件袖片」(亡Aが犯行時に凶器の小刀に巻き付けて使用し、その後焼却したと自白していた布片が、実際には血液の付着なく亡A宅に残存していた事実)に関し、検察官がこの事実を公判廷で明らかにすべき注意義務を負っていたか否かが中心的な争点となった。 【判旨】 裁判所は、争点(1)~(4)については違法性を否定した。任意取調べは13日間に9回・計約74時間と長時間であったが、暴力・恫喝・偽計はなく社会通念上相当な範囲内とした。補充捜査の懈怠についても、捜査機関として通常要求される捜査を怠ったとまでは認められないとした。公訴提起についても、提起時点の証拠資料を総合勘案すれば有罪の嫌疑があったと判断した。しかし、争点(5)の公訴追行については違法性を認めた。公訴提起後に本件袖片が血液の付着なく残存していることが判明し、亡Aの自白(凶器に布を巻き付け、犯行後に焼却したとの供述)と矛盾する重大な事実が生じていたにもかかわらず、検察官は、確定審第一審の論告の頃までに本件袖片残存の事実を公判廷で明らかにすべき注意義務を怠り、漫然と有罪の論告を行ったと認定した。損害については、検察官の注意義務違反がなければ確定審で殺人罪は無罪となっていたと認め、仮釈放後の逸失利益約1664万円、精神的損害500万円、弁護士費用約216万円の合計約2381万円を認容した。ただし、身体拘束期間中の損害(逸失利益約2624万円+慰謝料2500万円)は刑事補償金約6016万円により全額填補済みとした。被告県に対する請求は全て棄却し、被告国に対し原告ら各自に約1190万円の支払を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。