死刑の執行告知と同日の死刑執行受忍義務不存在確認等請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 死刑確定者である控訴人らが、現在の死刑執行の運用(死刑執行の告知が執行当日に行われる運用。以下「本件運用」)は違法であるとして、国に対し、①行政事件訴訟法4条後段の実質的当事者訴訟として、死刑執行告知と同日にされる死刑執行を受忍する義務がないことの確認を求めるとともに、②国家賠償法1条1項に基づき、各1100万円の損害賠償を求めた事案である。原審(大阪地裁)は、確認の訴えをいずれも不適法として却下し、賠償請求をいずれも棄却したため、控訴人らが控訴した。 【争点】 (1) 本件確認の訴えが法律上の争訟に該当するか (2) 本件確認の訴えを行政事件訴訟で争うことが許されるか(昭和36年最高裁判決の射程) (3) 確認の利益の有無 (4) 本件運用の維持が国家賠償法上の不法行為に該当するか 【判旨】 大阪高裁は、原判決のうち確認の訴えを却下した部分を取り消し、大阪地裁に差し戻した。賠償請求の棄却部分は維持した。 争点(2)について、昭和36年12月最高裁判決は、死刑執行方法の違憲・違法を行政事件訴訟で争うことは刑事判決の取消変更を求めることに帰するとして不適法と判示したが、本件運用(当日告知)が仮に違憲・違法であっても、告知時期を改めれば適法に死刑執行を行うことは十分可能であり、本件運用の違法が直ちに死刑判決そのものの違法に帰するという関係は成立しない。したがって、本件確認の訴えは同判決の射程外であり、行政事件訴訟で争うことが許される。 争点(3)について、控訴人らに対する死刑判決は確定しており、国が本件運用を変更する予定がない旨を明言している以上、控訴人らに本件運用が適用される蓋然性は高く、紛争の成熟性が認められる。また、本件運用の下では執行指揮後に刑訴法502条の異議申立てを行うことは現実的に不可能であるから、実質的当事者訴訟による方法選択も適切である。 争点(4)について、現時点では控訴人らに本件運用は適用されておらず、確認訴訟で勝訴すれば運用の改善が期待できるから、運用を維持していることが直ちに不法行為に該当するとは認められないとして、賠償請求を棄却した。