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最高裁

久米至聖廟撤去を怠る事実の違法確認等請求事件

判決データ

事件番号
令和5(行ツ)261
事件名
久米至聖廟撤去を怠る事実の違法確認等請求事件
裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判年月日
2025年3月17日
裁判種別・結果
判決・その他
原審裁判所
福岡高等裁判所 那覇支部
原審事件番号
令和4(行コ)5

AI概要

【事案の概要】 那覇市の住民である原告が、市長が市の管理する都市公園(松山公園)内に儒教の祖である孔子等を祀る久米至聖廟の設置を一般社団法人(久米崇聖会)に許可し、市が公園用地を同施設の敷地として利用に供していることが、憲法の政教分離原則(20条1項後段・3項、89条)に違反し、施設の収去及び土地の明渡しを請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして、怠る事実の違法確認等を求めた住民訴訟である。令和3年の最高裁大法廷判決では、公園使用料の全額免除が違憲と判断されていたが、その後使用料免除処分は取り消され、参加人が使用料を納付するに至った状況の下で、改めて公園施設設置許可自体の合憲性が争われた。 【争点】 公園管理者である市長が久米至聖廟に係る公園施設設置許可をし、市が公園用地を同施設の敷地として利用に供していることが、憲法上の政教分離原則に違反するか。 【判旨】 最高裁第一小法廷は、上告を棄却し、合憲と判断した。まず、本件施設は外観上社寺との類似性があり、釋奠祭禮は孔子の霊を崇め奉る宗教的意義を有する儀式であって、施設全体として宗教性を有し、その程度も軽微とはいえないと認定した。しかし、本件施設は琉球王国時代に久米三十六姓が建立した至聖廟等をゆかりの地に再建したものであり、地域の歴史や文化を伝える歴史的・文化的価値を有すること、観光資源としての意義があること、体験学習施設として無償公開され一般市民向けの教養講座も開催されていることを指摘した。そして、市は世俗的・公共的な目的から設置許可をしたものであり、その目的に宗教的意義はないとした。さらに、設置許可を受けた参加人は年間約576万円の使用料負担を要し、使用料免除処分も既に取り消されて使用料が納付されていることから、特定の宗教に対する特別の便益提供には当たらないと評価した。以上を総合し、社会通念に照らして、市と宗教との関わり合いの程度は、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものではなく、政教分離規定に違反しないと結論付けた。裁判官全員一致の意見である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。

裁判要旨

市長が市の管理する都市公園内に孔子等を祀る施設を設置することを一般社団法人に許可し、これに基づき市が上記公園内の土地を上記施設の敷地としての利用に供していることは、次の⑴~⑹など判示の事情の下では、憲法上の政教分離原則及び憲法20条、89条に違反しない。 ⑴ 上記施設は、中国から琉球に渡来し琉球王国の繁栄を支えた人々が17世紀以降に建立した孔子等を祀る施設を、そのゆかりの地に再建したものであり、市の公式ガイドマップに掲載され、観光客が訪れている。 ⑵ 上記法人は、上記施設等の公開や上記施設における孔子の霊を迎えるなどする行事の挙行のほか、上記人々の歴史研究や論語を中心とする東洋文化の普及等を目的ないし事業とする一般社団法人である。 ⑶ 上記施設は、公園施設として管理され、一般公衆の利用に供されている。 ⑷ 市は、上記許可に先立ち、上記施設は、体験学習施設(都市公園法施行令5条5項1号)ないし歴史上又は学術上価値の高いもの(同項2号)として、公園施設と位置付けることができると整理した。 ⑸ 上記許可は、上記法人に、年間576万7200円の公園使用料の納付義務を生じさせるものである。 ⑹ 上記許可と併せてされた公園使用料の免除処分は、その後取り消され、上記法人により公園使用料が順次納付されている。

参照法条

憲法20条、憲法89条

判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。