組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反、窃盗、銃砲刀剣類所持等取締法違反、現住建造物等放火、非現住建造物等放火、殺人未遂(変更後の訴因 傷害)、殺人、殺人未遂
判決データ
- 事件番号
- 令和5(う)246
- 事件名
- 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反、窃盗、銃砲刀剣類所持等取締法違反、現住建造物等放火、非現住建造物等放火、殺人未遂(変更後の訴因 傷害)、殺人、殺人未遂
- 裁判所
- 福岡高等裁判所
- 裁判年月日
- 2025年3月19日
- 裁判官
- 関洋太
AI概要
【事案の概要】 指定暴力団(特定危険指定暴力団)の主要二次団体で若頭を務める被告人が、平成23年から平成25年にかけて、一般市民や元警察官らに対する拳銃による殺人・殺人未遂、建造物放火、刃物による殺人未遂など計7件の事件に共同正犯として関与したとして起訴された事案の控訴審である。原審は基本的に各公訴事実を認定し、被告人を無期懲役に処した。被告人側が事実誤認及び量刑不当を主張して控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)拳銃発射事件における被告人の殺意の有無、(2)各事件における共犯者との共謀の成否、(3)被告人が実行犯でない事件における故意(重大な組織的犯罪への関与の認識)の有無、(4)無期懲役とした量刑の当否である。被告人側は、拳銃発射の際は敢えて身体の枢要部を外して撃っており殺意はなかった、各事件の全体像を知らされておらず共謀は成立しない、行動確認等の指示は債権回収目的とも考え得るなどと主張した。 【判旨(量刑)】 控訴棄却。控訴審は全ての争点について原判決の判断を是認した。殺意については、拳銃の高い殺傷力や反動による弾道のずれの可能性、不安定な体勢での連続発射の態様等に照らし、身体の枢要部への命中を容認していたとして未必的殺意を認定した原判決は正当であるとした。共謀については、暴力団の要職にある被告人が、犯行用車両や凶器の調達、偽造ナンバープレートの装着、行動確認の指示、犯行後の証拠隠滅指示など事前準備から事後処理まで組織的に関与しており、重大な組織的犯罪への関与の認識があったと認められるとした。末端の関与者についても、若頭の指示で手間暇をかけた行動確認や証拠隠滅に従事した以上、重大な組織的行為への関与であると認識し得たと判断した。量刑についても、一般市民を標的とした拳銃使用の殺人既遂・未遂を含む反社会的犯行の連続であり、若頭として計画を統率し重要な関与を果たした被告人の責任は大きく、無期懲役は重過ぎて不当とはいえないとした。