特許権侵害差止等請求控訴事件、同附帯控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和6(ネ)10048
- 事件名
- 特許権侵害差止等請求控訴事件、同附帯控訴事件
- 裁判所
- 知的財産高等裁判所
- 裁判年月日
- 2025年3月19日
- 裁判官
- 水野正則
- 原審裁判所
- 大阪地方裁判所
- 原審事件番号
- 令和3(ワ)1720
AI概要
【事案の概要】 蓄電池メーカーである被控訴人(GSユアサ)が、発明の名称を「電池」とする特許権(本件特許権1)及び「蓄電装置」とする特許権(本件特許権2)を有しているところ、控訴人(エリーパワー)が製造・販売するリチウムイオン電池製品がこれらの特許発明の技術的範囲に属するとして、製品の製造・販売等の差止め及び約12億7765万円の損害賠償を求めた事案の控訴審である。原審は、控訴人製品1及び3は本件発明1の技術的範囲に属するが、控訴人製品2は本件発明2の技術的範囲に属しないと判断し、約5億2928万円の損害賠償を認容した。控訴人が敗訴部分を不服として控訴し、被控訴人が敗訴部分を不服として附帯控訴した。 【争点】 主な争点は、①控訴人製品1及び3が本件発明1の構成要件B2・C2(活物質未塗工部の外側面における接続板部との接合)を充足するか、②本件発明1の進歩性欠如による無効、③損害額の算定における実施料率の相当性、④控訴人製品2が本件発明2の構成要件F2(内蓋部による密閉構造)を充足するか、⑤控訴人製品2に対する均等侵害の成否である。 【判旨】 知財高裁は、控訴及び附帯控訴をいずれも棄却し、原判決を維持した。争点①について、本件発明1の発電要素は巻回型に限定されず積層型も含まれるとし、控訴人製品1及び3における「生産積層単位」は本件明細書の「発電要素」の最小単位に当たるから、各単位の外側面で接続板部と接合されていると認定した。また「表面が接合される」の文言についても、クリップ部材が介在する態様を排除するものではないと判断した。争点②について、先行技術文献に基づく進歩性欠如の主張をいずれも退けた。争点③について、控訴人製品の売上高全体に実施料率を乗じる算定方法は不当ではなく、控訴人が文書提出命令に従わなかった事情を考慮することも相当であるとした。争点④について、控訴人製品2の中蓋にはスリットや隙間があり密閉状態で開口部を塞いでいるとはいえず、構成要件F2を充足しないと判断した。争点⑤について、構成要件F2の構成は本件発明2の本質的部分であるから均等の第1要件を満たさないとして、均等侵害も否定した。