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下級裁

保健施設閉鎖処分決定取消等請求事件

判決データ

事件番号
令和6(行ウ)10
事件名
保健施設閉鎖処分決定取消等請求事件
裁判所
津地方裁判所
裁判年月日
2025年3月27日

AI概要

【事案の概要】 三重県伊賀市の市民である原告ら夫妻(提訴時74歳)が、被告(伊賀市)が令和6年3月末に青山保健センターの温水プールを閉鎖したことについて、閉鎖処分の取消し、差止め、及び国家賠償法1条1項に基づく慰謝料各100万円の支払いを求めた事案である。原告妻は脊髄性小児麻痺による両下肢機能障害(身体障害者等級2級)を有しており、医師の助言により体力維持・健康増進のため同プールを利用していた。同プールは「寝たきり予防に効果のある水中歩行訓練用の温水プール」として、手すりや車椅子用スロープが設置された高齢者・障害者向けの施設であった。市長は公共施設最適化計画等に基づき閉鎖を決裁したが、市議会は閉鎖に反対する請願を全会一致で採択し、反対署名854筆も提出されていた。 【争点】 主な争点は、(1)プール閉鎖の処分性の有無、(2)原告適格の有無、(3)差止めの要件該当性、(4)閉鎖の違法性(実体上・手続上)、(5)国家賠償請求の成否である。原告らは、閉鎖が憲法13条の幸福追求権、障害者基本法、障害者差別解消法、地方自治法244条2項等に違反する行政処分であると主張した。被告は、閉鎖は行政機関内部の決裁にすぎず処分性はなく、原告らの利益は一般的公益に吸収されると反論した。 【判旨】 裁判所は、取消しの訴え及び差止めの訴えをいずれも却下し、国家賠償請求を棄却した。処分性について、原告らが市民としてプールを利用していた利益は一般的・反射的な利益にとどまり、閉鎖が原告らの法的地位に直接かつ具体的な影響を及ぼすとは認められないとして、処分性を否定した。原告らが援用した横浜市保育所廃止最判(最判平成21年11月26日)についても、本件は条例自体の廃止ではなく、原告らが年間パスポート等の具体的権利を有していたわけでもないとして、事案を異にするとした。国家賠償請求については、閉鎖の根拠とされた本件条例3条2項は利用日時の臨時的変更を対象とするものであり、永久的な閉鎖の根拠とはなり得ないとして違法性を認める余地に言及しつつも、プールでの水中歩行訓練が体力維持の唯一の手段とはいえないとして、法的保護に値する損害は認められないと判断した。なお、裁判所は付言として、閉鎖後の市長選挙で現職が落選し、新市長が原告らと面会して意見を聴いていること、市議会でも閉鎖撤回を求める動きが続いていることを指摘し、プールの最終的な閉鎖が直ちに正式決定される状況にはないとの見方を示した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。