AI概要
【事案の概要】 地方公共団体である茨城県(原告)が、被告ら(本町化学・フタムラ)に対し、県内の涸沼川浄水場で使用する粒状活性炭の再生業務について平成27年3月13日に実施した一般競争入札において、被告らを含む16社が事前に供給予定者及び入札価格を調整する談合行為を行い、談合がなければ形成されたであろう落札価格との差額分の損害を被ったとして、共同不法行為に基づき約1億219万円の損害賠償を求めた事案である。公正取引委員会は令和元年11月に被告らに対し課徴金納付命令及び排除措置命令を発していた。 【争点】 (1)被告らの不法行為の成否。被告本町化学は、自社の行為は活性炭メーカー間のルールに基づく事務的・機械的な連絡に過ぎず違法性を欠くと主張。被告フタムラは不法行為の成立を争った。(2)原告の損害額。談合終了後の平成29年入札(落札価格180万円/池)及び平成31年入札(同310万円/池)の落札価格を基礎に想定落札価格を推認できるか、中国産活性炭の輸入価格下落や公取委立入検査の萎縮効果により想定落札価格の推認が不相当か等が争われた。 【判旨】 裁判所は、被告らを含む16社が東日本地区の浄水場向け活性炭入札について供給予定者及び入札価格を事前に調整する基本合意をし、本件入札でも被告フタムラを供給予定者とする個別調整行為を行ったと認定し、共同不法行為の成立を認めた。被告本町化学の事務的連絡に過ぎないとの主張は、供述調書に裏付けがなく、仮にそうであっても談合の一端を担う行為として不法行為に該当すると判断した。損害額については、談合が本件入札以前から長期間行われていたため直前価格による推認は不相当とし、談合終了後の平成29年入札及び平成31年入札の落札価格を基礎としつつ、入札回数が2回にとどまることから平均値ではなく高い方の310万円/池をもって想定落札価格と認定した。その結果、損害額元本8080万9737円、弁護士費用808万円、確定遅延損害金367万7640円の合計9256万7377円及び遅延損害金の支払を命じた。