AI概要
【事案の概要】 被告人は、令和6年11月23日、愛知県豊田市等が主催するFIA世界ラリー選手権「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」の一環として岐阜県恵那市内の公道で開催されたレース競技(スペシャルステージ12)において、知人との待ち合わせ場所に行くために犯行場所を通りたいという身勝手な理由から、検問地点のスタッフの制止を振り切って規制テープ2か所を突破し、競技コース内に普通貨物自動車で進入して逆走した上、スタート地点で発走待機中の競技車両の直前に約11分間にわたり自車を停車させ、同競技車両及び後続競技車両の発走を不能にさせて競技を中止に追い込み、威力を用いて業務を妨害した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人の刑事責任は軽視できないとした。犯行動機は知人との待ち合わせのために通りたいという身勝手で自己中心的なものであり、酌量の余地はない。被告人は最初の検問地点のスタッフの態度が高圧的であったことに立腹したと述べるが、それはレースを妨害する理由にはならない。自動車競技はチューンナップされた車両が高速度で走行するものであり、コース内に一般車両が進入すれば生命にかかわる衝突事故が発生しかねないところ、犯行態様は極めて危険かつ悪質である。約1年をかけて準備されたレース競技が中止になっただけでなく、主催者はFIAに対して800万円を超える罰金の支払いを余儀なくされており、結果は重大である。他方、被告人は弁護士を通じて被害者と示談し、822万5743円の分割払いを約してうち500万円を既に支払い、被害者が宥恕したこと、当公判廷で犯行を認め反省の態度を示していること、罰金前科以外の前科がないこと等の事情も考慮し、社会内で自力更生する機会を与えるのが相当として、懲役2年6月・執行猶予5年を言い渡した(求刑:懲役2年6月)。