AI概要
【事案の概要】 被告会社が提供していた「フラッシュ買取サービス」を約1年半にわたり利用した原告が、同サービスは商品売買を装った貸金業法違反の高金利貸付けであると主張し、被告会社及びその当時の代表者である被告Aに対して共同不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案である。同サービスは、利用者が商品画像を送信して査定を受け、買取代金の先払いを受けた後、7日以内に商品を発送しなかった場合には代金に30%の違約金を付して返金するという仕組みであり、原告は23回の取引で一度も商品を発送せず、毎回違約金を支払っていた。 【争点】 主な争点は、本件サービスにおける取引が実質的に貸金業法にいう金銭の「貸付け」に当たるか否か、及び損害額である。被告らは、古物営業許可を取得し実際に商品の買取・転売実績があること等から適法な売買契約であると主張した。原告は、在籍確認や年収確認、違約金支払期限の給料日設定、違約率の異常な高さ等から実質的な貸付けであると主張した。 【判旨】 裁判所は、以下の事情を総合し、本件サービスは売買契約の形式をとった実質的な貸付けであると認定した。第一に、サービス開始当初から成立した契約の9割以上で商品が送付されず違約状態が継続していたにもかかわらず、被告会社は利用停止等の措置をとらなかった。第二に、商品保管場所が居住用マンションの一室に過ぎず月1000件超の取引件数に全く見合わない体制であった。第三に、送金完了メールに商品の梱包・送付方法の記載がなく、被告会社の関心が商品自体ではなく金銭のやりとりにあった。第四に、利用者の勤務先への在籍確認、給与額の確認、買取金額の上限設定、違約金支払期限の給料日への固定など、違約金を確実に回収する仕組みが構築されていた。利率は最低でも年300%を下回らず、貸金業法に違反する著しい高金利での貸付けであると認定した。損害額については、不法原因給付として被告会社は売買代金相当額の返還を求めることができないから、原告が支払った全額66万6250円と弁護士費用相当額6万6625円の合計73万2875円を認容した。慰謝料請求は、精神的苦痛が被告らの行為よりも原告自身の多重債務状態に起因するとして棄却した。