商標権侵害差止等損害賠償等請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、腕時計の商標権(登録第2696178号)をめぐる紛争の控訴審である。商標権者である一審原告海援隊及び独占的通常使用権者である一審原告ディンクスが、一審被告マル周及び一審被告王様舶来館に対し、被告標章を付した腕時計の販売等が商標権侵害に当たるとして、差止め・廃棄及び損害賠償を求めた(本訴)。一方、一審被告らは、一審原告らがAmazonに対して行った侵害報告が不正競争防止法2条1項21号の不正競争に該当するとして、告知等の差止め、訂正文の送付及び損害賠償を求めた(反訴)。原審は本訴請求を一部認容し反訴請求を棄却したため、双方が控訴した。 【争点】 主な争点は、①エリム貿易(破産した従前の取引仲介者)から一審被告マル周が取得した他社製造被告製品及び自社製造被告製品(戻り分)の販売がエリム貿易の使用許諾により適法といえるか、②他社製造被告製品に被告標章を付した包装箱を付けて販売することの適法性、③一審原告らの権利行使が継続的取引関係の不当な打切りを理由に権利濫用又は信義則違反となるか、④一審原告ディンクスの損害額(商標法38条1項・2項の類推適用による算定及び推定覆滅の可否)、⑤一審原告らのAmazonへの侵害報告が虚偽の事実の告知に当たるか、である。 【判旨】 控訴審は、他社製造被告製品についてはエリム貿易から被告標章付き下げ札が付いた状態で購入されたものであり、その販売自体は商標権侵害とならないと認定した。ただし、被告標章を付した包装箱を付けて販売する行為については、エリム貿易に再使用許諾権がなく侵害が成立するとした。自社製造被告製品(戻り分)514本については、損害賠償請求の対象となる販売分に含まれていること自体が立証されていないとして、一審被告らの主張を排斥した。権利濫用・信義則違反の主張についても、継続的契約関係の成立を認めるに足りる証拠がないとして退けた。損害額については、トノー型原告製品の単位数量当たり利益額を4545円に修正し、覆滅割合20%(他社製造被告製品については追加で40%)を適用した。結論として、差止め・廃棄請求を一部変更して認容し、一審被告マル周に対する損害賠償を86万8114円に変更し、反訴請求は全て棄却した。