道路運送車両法違反、過失運転致傷事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人Aと被告人Bは共謀の上、被告人B所有の軽自動車にワイドトレッドスペーサーとマッドタイヤを装着し、タイヤを車体から最大約3.5cm突出させる不正改造を行った(道路運送車両法違反)。その後、被告人Bから同車の足回りの異常を伝えられた被告人Aが点検を依頼されたにもかかわらず、左前輪のホイールナットの緩みを確認しないまま漫然と同車を運転した結果、走行中にタイヤが脱落して歩道上に逸走し、歩行中の4歳の被害者に衝突。被害者は回復見込みのない四肢体幹の完全麻痺を伴う頚髄損傷等の重傷を負い、意識が戻る見込みがないと診断された。 【判旨(量刑)】 裁判所は、不正改造について、タイヤの突出は事故の危険性を高める悪質な改造であり、4本とも明らかに違法な状態にまで突出させた点を指摘した。被告人Bについては、本件改造を自己の趣味嗜好のために企て主導した責任は大きいが、前科がなく反省していることを考慮し、罰金20万円とした。被告人Aの過失運転致傷については、ワイドトレッドスペーサー装着車はナットが緩みやすいとの認識がありながら点検を怠った過失は悪質であり、被害結果も極めて重大であるとした。一方で、ホイールナットの締付けを行ったのが被告人Aとは認定できず、ナットの緩みの根本的原因は被告人Bの責任領域にあること、被告人Aは業務として点検に応じたのではなく特別に高度な注意義務があったとはいえないこと、自ら施した他の改造部分は確認しており点検に無関心ではなかったこと等を総合し、過失を重大とまで評価することには躊躇を覚えるとした。被告人Aには交通前科4犯があるものの罰金刑にとどまっていること、反省の態度が認められること等も考慮し、懲役3年・執行猶予5年(法定最長期間)を言い渡した。