建造物侵入、器物損壊、強盗傷人、強盗予備
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人(犯行時19歳の特定少年)は、SNS上のいわゆる闇バイトに応募して強盗グループに加担した。令和6年8月31日未明、共犯者らと共謀の上、強盗目的でレンガを携帯してさいたま市内の民家に向かったが、他の実行役が離脱したため強盗の実行を断念した(強盗予備)。同日午後、別の共犯者らと共謀し、神奈川県厚木市内の貴金属店に営業時間中に侵入し、鉄製ハンマーで商品棚のガラス戸8枚やショーケースを破壊した上(損害額約39万円)、店員にハンマーを振り上げて脅迫し、腕時計等130点(販売価格合計約8425万円)を強取した。逃走中、被告人らを取り押さえようと立ちはだかった通行人の頭部をハンマーで殴打し、さらに腕にかみつく暴行を加え、加療約2週間を要する頭部挫創等の傷害を負わせた(建造物侵入、器物損壊、強盗傷人)。被告人は通行人らにより現行犯逮捕され、被害品は全て還付された。 【判旨(量刑)】 裁判所は、まず弁護人の少年法55条による家裁移送の主張について検討した。犯行態様は、凶器を用いて店員を脅し短時間で多量の貴金属を奪取するという大胆かつ悪質なものであり、通行人へのハンマーによる頭部殴打は一歩間違えば重大な結果を生じさせ得る極めて危険な行為であると指摘した。被告人は実行役として共犯者に指示するなど主体的に行動し、ハンマー等の購入や下見も行っており、果たした役割は極めて重要であるとした。経緯について、金銭管理の未熟さから闇バイトに応募したものであるが、離脱の機会があったにもかかわらず報酬欲しさから犯行を了承した点で一定程度意欲的な面があったと認定した。少年院での矯正教育自体は有効としつつも、事件の重大性、被告人の役割、社会的影響等に鑑み保護処分相当性は認められず、刑事処分をもって臨むほかないとした。量刑については、同種事案の中で相応に重い部類に当たるとしつつ、事実を認め反省を深めていること、犯行時19歳3か月と未熟な面があったこと、被害者に見舞金5万円を支払ったこと、母親が社会復帰への支援を誓約していること、前科前歴がないことを酌み、求刑懲役10年に対し、懲役6年を言い渡した(未決勾留120日算入)。