特許権侵害差止等請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、「起伏収容式仮設防護柵」に関する特許第6494120号の特許権を有する控訴人(GX株式会社、大都技研株式会社の訴訟承継人)が、被控訴人(株式会社ワイズテック)に対し、被控訴人製品の製造等が特許権を侵害するとして、特許法100条1項及び2項に基づき差止め及び廃棄を求めた事案の控訴審である。原審は、被控訴人製品は本件特許に係る発明の技術的範囲に属せず、均等侵害も成立しないとして請求を棄却した。控訴人は控訴審係属中に明細書の訂正審判請求を行い、訂正を認める審決が確定した。 【争点】 主要な争点は、(1)被控訴人製品の「角筒管」が本件各発明の構成要件である「回動板状部材」に該当するか(構成要件充足性)、(2)仮に文言上の充足が認められないとしても均等侵害が成立するかである。控訴人は、「回動板状部材」は防護柵の「支柱」を意味し公知技術に過ぎず、角筒管も「板から構成される部材」に含まれると主張した。均等侵害については、本件発明の本質的部分は二つの回動軸・定着部材・緊締部材にあり、回動板状部材は本質的部分ではないと主張した。 【判旨】 知財高裁は控訴を棄却した。構成要件充足性について、訂正明細書等の記載に基づけば「回動板状部材」は短手方向に厚さを有する板状の部材を意味し、被控訴人製品の角筒管はこれに該当しないと判断した。他の特許公報の記載を根拠に角筒管も「板から構成される部材」に含まれるとの控訴人の主張は、訂正明細書等の記載に基づくものではなく失当とした。均等侵害については、本件各発明の本質的部分は、回動板状部材を用いることにより短手方向の幅を薄くし、起伏する部材を基礎架台のウェブ部に倒伏・収容可能とする点にあると認定し、回動板状部材は回動軸等と一体として起伏式特有の技術思想に必須の構成であるから本質的部分に含まれるとして、均等の第1要件を充足しないと判断した。