不正競争行為差止等請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和6(ネ)10067
- 事件名
- 不正競争行為差止等請求控訴事件
- 裁判所
- 知的財産高等裁判所
- 裁判年月日
- 2025年5月29日
- 裁判官
- 岩井直幸
- 原審裁判所
- 東京地方裁判所
- 原審事件番号
- 令和2(ワ)28384
AI概要
【事案の概要】 控訴人(株式会社スノーピーク)が、同社の販売するテント・タープ用鍛造スチールペグ(原告商品)の形態が周知な商品等表示であるとして、被控訴人ら(株式会社山谷産業ほか)に対し、不正競争防止法2条1項1号に基づき、類似形態の被告商品の製造・譲渡等の差止め、廃棄、約2億1507万円の損害賠償及び謝罪広告の掲載を求めた事案の控訴審である。原審(東京地裁)は控訴人の請求を全部棄却しており、控訴人がこれを不服として控訴した。 【争点】 主たる争点は、原告商品の形態が控訴人の周知な商品等表示に該当するか(争点1-1)であり、具体的には、(1)原告商品の形態の特別顕著性の有無、(2)周知性の有無、(3)意匠権の存続期間満了後における不競法による保護の可否が問題となった。控訴人は、鍛造スチールの表面のざらつきやフラミンゴの頭部を想起させる掛具部の形態が特徴的部分であり、意匠権消滅後も自助努力により商品等表示性・周知性を維持していると主張した。被控訴人らは、これらの形態は技術的機能に由来するものであり、意匠権の独占により獲得された周知性のみを根拠に半永久的保護を与えることは許されないと反論した。 【判旨】 控訴棄却。知財高裁は、原告商品の形態について特別顕著性及び周知性のいずれも認められないと判断した。特別顕著性については、控訴人が主張する鍛造スチールに由来する表面のざらつき(本件特徴的部分I)及びフラミンゴの頭部様の掛具部形態(本件特徴的部分II)は、いずれも技術的合理性又は商品の機能に由来するものであり、基準時において同様の特徴を備える同種商品が多数存在していたことから、他の商品に見られない顕著な特徴とはいえないとした。周知性についても、原告意匠権の存続期間満了後に市場占有率が急激に低下したこと、宣伝広告が形態より機能面に重点を置いていたこと、アンケート結果において原告商品の形態から控訴人を正答した割合が低く「コールマン」との誤答と拮抗していたことなどから、需要者において原告商品の形態が特定の事業者の出所を表示するものとして周知であったとはいえないと結論付けた。