AI概要
【事案の概要】 本件は、ミニチュアカー文化の普及・発展を目的とする任意団体「JAPAN MINIATURE AUTOMOBILE CLUB」(通称「JMAC」、昭和36年結成)の会長である原告が、被告(出願時は同団体の関西支部長)が「JMAC」の文字を標準文字で表してなる商標(指定商品:第28類「ミニチュアカー、おもちゃ、人形」)について商標登録を受けたことにつき、商標法4条1項7号(公序良俗違反)を理由とする無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、その取消しを求めた審決取消訴訟である。 【争点】 本件商標が商標法4条1項7号に該当するか否か。具体的には、(1)同一団体の会長と元関西支部長との間で団体の通称が商標登録された場合に公序良俗違反といえるか、(2)趣味の任意団体が使用する標章は「商標」に該当しないため原告に出願の機会がなかったといえるか、が争われた。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、商標法4条1項7号は公序良俗に反する商標の登録を阻止するための規定であり、先願主義の下では、私的紛争の範囲内で一方の利害関係人が先に出願・登録を得ても当然には同号に該当しないと判示した。本件の実体は、原告と被告の間の団体運営を巡る見解の対立から派生した問題であり、原告自ら速やかに出願することを妨げる事実も認められず、会員数が近時100人前後の団体であることに鑑みれば、私的領域の問題を超えて公序良俗に関わるとはいえないとした。また、原告の「趣味の会の標章は商標ではない」との主張についても、「業として」とは営利目的に限られず反復継続で足り、団体がJMACの文字やロゴを付したミニカーを支部単位で年2回配布するなどしていた事実から、商標に該当しないとはいえないと判断し、審決に誤りはないと結論づけた。