私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反
判決データ
AI概要
【事案の概要】 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のテストイベント計画立案等業務委託契約等の入札に関し、イベント企画・運営会社の常務取締役である被告人が、組織委員会の大会準備運営第一局次長Bや関係事業者7社の従業者らと共謀の上、各社の受注希望等を考慮して受注予定事業者を決定し、基本的に当該事業者のみが入札を行うことなどを合意した上、同合意に従って受注予定事業者を決定するなどし、公共の利益に反して競争を実質的に制限したとして、独占禁止法違反(不当な取引制限罪)に問われた事案の控訴審である。被告人側は、事実誤認ないし法令適用の誤り、理由不備、訴訟手続の法令違反を主張して控訴した。 【争点】 主な争点は、①関係事業者7社間で「共同して」「相互に」事業活動を拘束したといえるか(意思の連絡の有無)、②本件基本合意により事業活動が「拘束」されたといえるか、③一定の取引分野における競争が「実質的に制限」されたといえるか、④本件基本合意の対象に計画業務だけでなく実施業務・本大会業務も含まれるか、であった。被告人側は、各事業者間に直接・間接の意思連絡はなく、発注者の意向に沿う当然の行動にすぎないと主張した。 【判旨(量刑)】 東京高裁は控訴を棄却した。意思の連絡について、各事業者はBやCの従業者との面談等を通じ、他の事業者がBの意向に沿った入札行動をとることを相当程度の確実性をもって相互に予測しており、暗黙のうちに認容したと評価でき、意思の連絡が認められるとした。事業活動の拘束についても、本来自由に入札参加を決められるのにBの意向に沿った協議が必要となったことで事実上拘束されたと認定した。競争の実質的制限についても、全26会場案件中16件でBの意向に沿った1社のみの入札が行われ、24件でBの意向どおりの事業者が受注した事実等から肯定した。基本合意の対象範囲についても、組織委員会が計画業務の受注事業者に実施業務・本大会業務を随意契約で委託する方針であったことを各事業者が認識していたとして、これらの業務も含まれると判断した。原判決の認定・判断に論理則・経験則に照らし不合理な点はないとした。