不当利得返還等本訴請求、同反訴請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 地方公共団体である被控訴人(都城市)が、食肉販売業者である控訴人との間でふるさと納税返礼品の調達・配送等に関する業務委託契約を締結し、委託料約1億4824万円を支払ったところ、控訴人が宮崎県産と偽りブラジル産・タイ産鶏肉を返礼品として寄附者に配送する産地偽装を行ったため、被控訴人が契約を解除した上で、①不当利得返還請求として約8463万円、②債務不履行に基づく損害賠償として配送費用約3602万円、③約款に基づく違約金約1482万円の各支払を求めた本訴事案と、控訴人が未払委託料及び錯誤による弁済金の返還を求めた反訴事案である。原審は本訴請求を全部認容し反訴請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 ①産地偽装された返礼品の配送が契約上の受託業務の履行と評価できるか、②被控訴人に不当利得法上の損失が生じたか、③委託料全額の返還義務が生じるか差額精算にとどまるか、④控訴人の弁済金6000万円の支払に錯誤があったか。 【判旨】 控訴棄却。本件契約は「肉と焼酎のふるさと・都城」を全国発信しPR戦略を推進する目的で返礼品調達等を委託するものであり、返礼品が宮崎県産であることは契約の根幹に関わる本質的要素である。控訴人が外国産鶏肉を産地偽装して配送した行為は契約目的に沿うものでなく、受託業務の一部の履行とも評価できないから、受領した委託料全額が不当利得となる。控訴人の主張する出来高精算の適用についても、業務を履行していない以上、請負・準委任の規定により返還義務を免れるものではない。また、寄附者が返礼品を消費したことは被控訴人の利得を意味せず、外国産鶏肉の配送はPR戦略推進の目的達成に資するものではないとして、控訴人の補充主張をいずれも排斥した。