損害賠償等請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 ドッグランにおいて、被控訴人が占有するゴールデンレトリバー(生後約11か月、体重約28kg)が控訴人に背後から衝突し(本件事故)、控訴人が左足関節捻挫、左肩関節捻挫、左下腿打撲傷及び棘上筋損傷(部分損傷)の傷害を負ったとして、控訴人が被控訴人に対し、動物占有者責任(民法718条1項本文)に基づき、損害賠償金約3528万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。原審は控訴人の請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 (1) 被控訴人が動物の種類及び性質に従い相当の注意をもって管理をしたか(免責の可否)、(2) 本件事故と控訴人の損害(特に棘上筋損傷)との因果関係の存否、(3) 損害額、(4) 過失相殺の可否及び割合。 【判旨】 控訴審は原審を変更し、約1600万円の損害賠償を認容した。まず争点(1)につき、ドッグランはリードを外せる施設であっても飼主の適切な管理下での利用が想定されており、注意義務が軽減されることはないとした。本件事故前にも被控訴人犬が控訴人に衝突しそうになる場面があったにもかかわらず、被控訴人は椅子に座りリードをテーブルに置いたまま腕を組んでおり、リードを付ける・一時退場させる・口頭で制止するなどの措置を一切取らなかったことから、相当の注意を尽くしたとは認められないと判断した。争点(2)につき、約28kgの大型犬が時速約11.7km以上で死角から衝突しており軽微な接触とはいえないとし、棘上筋損傷についても、中程度の部分損傷であれば事故直後に違和感程度しか感じないことは臨床上起こり得るとの主治医の意見を採用し、控訴人の年齢(事故時38歳)や業務内容からも加齢・オーバーユースによる断裂の可能性は低いとして因果関係を肯定した。争点(4)につき、控訴人も背後から走ってくる犬への警戒をしていなかった過失があるとして、控訴人の過失割合を20%と認定した。後遺障害は12級6号(左肩関節の機能障害)と評価し、賃金センサスに基づく逸失利益等を算定の上、過失相殺・既払金控除後の損害額を1600万4726円と認めた。