特許権侵害差止等請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 控訴人(株式会社エコプロ)が、被控訴人(株式会社ウィズユークラブ)に対し、被控訴人製造販売のダニ捕りマット(被告製品)が控訴人の特許権(ダニ捕獲マットに関する特許第4796334号)を侵害するとして損害賠償を求めるとともに、被控訴人が控訴人の商号を使用したことが会社法8条違反及び不競法2条1項20号の品質等誤認惹起行為に当たるとして損害賠償を求めた(本訴)。被控訴人は、控訴人の銀行借入金を第三者弁済した費用の償還等を求めた(反訴)。原審は本訴・反訴をいずれも棄却し、控訴人が控訴、被控訴人が附帯控訴した。 【争点】 (1) 被告製品が本件特許発明の構成要件を文言上充足するか(構成要件A-3「多孔質通気性袋」及びA-1「ダニ誘引香料を含浸した織物シート」の充足性)、(2) 均等侵害が成立するか(第1要件・第2要件)、(3) 被控訴人の商号使用に不正の目的があるか、(4) 被告製品への商号・「特許取得済」表示が品質等誤認惹起行為に該当するか、(5) 借入金の第三者弁済につき事務管理に基づく費用償還請求が認められるか、(6) 費用償還請求権の消滅時効の成否。 【判旨】 控訴棄却、附帯控訴一部認容。特許権侵害について、「多孔質通気性袋」とは内部に物体を収容できる空間部分と口を備えるものをいうところ、被告製品は2枚の不織布で混合物を挟み込んでいるにすぎず空間部分と口を備えていないから構成要件A-3を充足しない。また「含浸」とは多孔質物質に液状物質をしみ込ませることをいうところ、被告製品のガーゼから検出された香料成分は不織布からこぼれ出たものが付着した可能性が高く、構成要件A-1も充足しない。均等侵害についても、本件発明の本質的部分は多孔質通気性袋と含浸した織物シートの双方を備えることにあり、被告製品は少なくとも後者を欠くから第1要件を満たさず、混合物がこぼれ落ちて粘着力が弱まるため同一の作用効果を奏するともいえず第2要件も満たさない。商号使用・品質等誤認惹起行為の主張も、控訴人が平成23年頃から事業停止し営業上の利益がないとして退けた。他方、反訴の借入金第三者弁済については、債務引受合意の成立を認めず事務管理の成立を認め、消滅時効により一部消滅した残額274万0466円の限度で費用償還請求を認容した。