AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社ダイレクトマーケティングエージェンシー)は、「ダイレクトマーケティングエージェンシー」の文字を標準文字で表してなる商標について、第35類及び第42類の役務を指定役務として商標登録出願をしたが、商標法3条1項3号(役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標)及び同法4条1項16号(役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標)に該当するとして拒絶査定を受けた。原告は拒絶査定不服審判を請求したが、特許庁は審判請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めた事案である。 【争点】 本願商標「ダイレクトマーケティングエージェンシー」が商標法3条1項3号及び4条1項16号に該当するか。原告は、「ダイレクトマーケティング」及び「エージェンシー」の語はいずれも多義的であり、組み合わせた本願商標全体の意味合いも直接的・一義的ではなく間接的・抽象的・多義的であるから、役務の質を直接的に表示するものではないと主張した。また、類似構成の先登録例との整合性も問題とした。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。裁判所は、「ダイレクトマーケティング」が「各種メディアを通じて消費者に直接商品情報を提供する販売促進方法」を意味する成語であり、「エージェンシー」が「代理店」を意味することから、本願商標は全体として「ダイレクトマーケティングを業務とする又はそれに特化した代理店」程度の意味合いを容易に認識させるものと判断した。取引業界において「ダイレクトマーケティングエージェンシー」と称する事業者が多数存在する実情も認定し、本願商標は指定役務との関係で役務の質を表示する標章のみからなる商標であるとして3条1項3号該当性を肯定した。原告の多義性の主張については、各辞書の記載も概ね共通する意味合いに収斂されるとして退け、先登録例との整合性の主張についても、商標登録の可否は商標ごとに個別に判断すべきものであるとして排斥した。