損害賠償請求権不存在確認請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、フィリップ・モリス・ジャパン合同会社(原告PMJ)及び双日株式会社(原告双日)が、加熱式たばこ「テリア」「センティア」等の製品(本件製品)について、被告Future Technology株式会社が有する「喫煙具用カートリッジ」に関する特許第7583387号の特許権に基づく損害賠償請求権を有しないことの確認を求めた事案である。被告は茶葉スティックの製造販売を行う会社であり、本件特許に基づき東京税関に本件製品の輸入差止申立てを行うとともに、別の特許権に基づく損害賠償請求訴訟を9件提起していた。 【争点】 本件の争点は、本件各訴えに確認の利益(訴えの利益)が認められるかである。被告は本件訴え提起後に本件損害賠償請求権を放棄し、撤回・取消し・無効の主張を行わないと陳述した。原告らは、被告が本件製品について強固な権利行使の意思を有しており再訴のおそれがあること、確認判決により本件製品をめぐる紛争が一挙に解決されること、差止請求権不存在確認訴訟を別途提起する場合の印紙代負担の不公平等を主張して、訴えの利益があると主張した。被告は、放棄により請求権は存在せず即時確定の利益がないと反論した。 【判旨】 裁判所は、本件各訴えをいずれも却下した。被告が本件損害賠償請求権を放棄し、撤回等の主張を行わないと陳述したことから、請求権の不存在は被告の自認するところであり、当事者間に紛争が存在し原告らの法的地位に不安・危険があるとはいえず、即時確定の利益は認められないとした。原告らの再訴のおそれについても抽象的なものにすぎないと判断した。また、損害賠償請求権の不存在確認判決が確定しても特許権侵害の有無に関する理由中の判断に既判力は生じないため、差止請求権や別件訴訟の請求権行使は妨げられず、確認判決を得ることが紛争解決に必要かつ適切とはいえないとした。印紙代負担の差異も即時確定の利益に影響しないとして、原告らの主張をいずれも排斥した。