AI概要
【事案の概要】 京都大学の教職員で構成される労働組合である原告が、京都市(被告)による京都大学(被告)への行政指導及び京都大学による原告設置の立看板撤去行為が違憲・違法であるとして、共同不法行為に基づく損害賠償(被告ら連帯して330万円)を求めるとともに、京都大学に対し、立看板撤去及びその後の団体交渉における対応が不当労働行為に当たるとして別途220万円の損害賠償を求めた事案である。京都市は京都市屋外広告物等に関する条例に基づき、京都大学の外構部分に設置された立看板について是正を求める行政指導を行い、京都大学はこれを受けて立看板規程を制定し、平成30年5月及び令和2年6月の2度にわたり原告の立看板を撤去した。 【争点】 (1) 京都市屋外広告物条例の合憲性及び本件行政指導の適法性(明確性の原則違反、過度に広範な規制、適用違憲の有無)、(2) 京都大学による立看板撤去行為の違法性(条例・行政指導の違憲違法に基づく違法性、不当労働行為該当性、不誠実団交該当性、違法な自力救済該当性)、(3) 損害の発生及び金額。 【判旨】 裁判所は原告の請求をいずれも棄却した。条例の合憲性について、「区画」の定義は建築物等の敷地の管理権に基づき区分されるものと一般人に理解可能であり明確性の原則に反しないとし、区画面積にかかわらず一律の面積基準を設けることは景観維持の目的に照らし合理的であるとした。行政指導についても、被告京都市が敷地管理権者である被告大学に対し努力義務の履行を求めたものにすぎず違法でないと判断した。不当労働行為の主張に対しては、被告大学が立看板設置を明示的に許可したことはなく労使慣行の成立は認められないとし、撤去は原告か否かを区別せず一律に行われたもので組合弱体化目的は認められず、代替設置場所の提案を繰り返すなど誠実に対応していたと認定した。自力救済の点も、敷地管理権に基づく必要かつ相当な行為であり違法でないとした。