AI概要
【事案の概要】 原告(T&T TOYAMA株式会社)は、「シングルモルト金沢」の文字を標準文字で表した商標について、指定商品を「ウィスキー」として商標登録出願をしたが、拒絶査定を受けた。これに対する不服審判請求も、特許庁が請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めた事案である。争点は、本願商標の商標法3条1項3号(産地・品質等の記述的商標)及び同法4条1項16号(品質誤認のおそれ)の各該当性である。 【争点】 原告は、「シングルモルト金沢」は全体として一連の称呼が生じる造語に近い一つの単語であり、「シングルモルト」という一般普通名称は存在しないから、「シングルモルト」と「金沢」に分離して解釈すべきではないと主張した。また、「シングルモルト」は必ずしも「シングルモルトウィスキー」を意味するものではなく、品質誤認は生じないとも主張した。被告(特許庁長官)は、「シングルモルト」がウィスキーの品質(種別)を表す用語として取引上親しまれており、「金沢」は産地表示に通じるから、本願商標は商品の産地・品質を普通に表示するにすぎないと反論した。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、「シングルモルト」が広辞苑にも掲載されたウィスキーの品質(種別)を表す外来語の成語であること、及び「シングルモルト駒ヶ岳」「シングルモルトあかし」「シングルモルト余市」等、「シングルモルト+産地名」の表示方法が取引上広く行われている実情を認定した。その上で、「シングルモルト金沢」全体を一つの単語として考察しても、「金沢に所在する蒸留所で生産されたシングルモルトウィスキー」という商品の産地及び品質を表示したものと理解されるにとどまり、自他商品識別力を欠くと判断した。また、当該商標を金沢産シングルモルトウィスキー以外の商品に使用すれば品質誤認のおそれがあるとして、商標法3条1項3号及び4条1項16号のいずれにも該当するとした審決の判断を維持した。