損害賠償等、業務委託料等反訴請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和7(ネ)10017
- 事件名
- 損害賠償等、業務委託料等反訴請求控訴事件
- 裁判所
- 知的財産高等裁判所
- 裁判年月日
- 2025年7月9日
- 裁判官
- 伊藤清隆
- 原審裁判所
- さいたま地方裁判所
- 原審事件番号
- 令和3(ワ)2024
AI概要
【事案の概要】 歯科医師業を営む医療法人(控訴人)が、歯科医院の経営コンサルティング等を行う株式会社PAXY(被控訴人会社)及びその関係者らに対し、(1)被控訴人Y2との委任契約が弁護士法72条に違反し無効であるとして報酬200万円等の返還、(2)被控訴人会社との歯科医院経営の包括的業務委託契約が医療法7条1項・歯科医師法17条に違反し無効であるとして支払済み報酬約5439万円等の返還、(3)被控訴人Y2に「節税」名目で交付したとする1080万円の不当利得返還をそれぞれ求めた(本訴請求)。一方、被控訴人会社は控訴人に対し、業務委託契約に基づく未払報酬約2132万円及び会員契約の標章使用禁止条項違反に基づく違約金500万円の支払を求めた(反訴請求)。原審が本訴請求を全部棄却し反訴請求を一部認容したため、控訴人が控訴した。 【争点】 (1)被控訴人Y2との委任契約が弁護士法72条に違反するか、(2)被控訴人会社との本件基本合意契約が医療法・歯科医師法に違反し又は公序良俗に反して無効か、(3)心裡留保又は意思の合致の欠缺により契約が無効か、(4)控訴人が被控訴人Y2に200万円及び1080万円を交付した事実が認められるか、(5)被控訴人会社の未払業務委託料請求の当否、(6)控訴人が会員契約の標章使用禁止条項に違反し違約金支払義務を負うか。 【判旨】 控訴棄却。知財高裁は原判決を支持し、以下のとおり判断した。本件各契約書上、控訴人が歯科医院の開設者として経営することが前提とされ、被控訴人会社は設備・人材教育・内装等のノウハウ提供を行うとされていたこと、実際にも控訴人代表者が人事権や経営方針の最終決定権を有し、収益・資産の帰属主体は控訴人であったことから、本件基本合意契約が営利法人への経営譲渡・委託を目的とするものとは認められず、医療法等の強行法規違反や公序良俗違反は認められない。控訴人が当審で主張した契約間の矛盾による意思の合致の欠缺についても、実際の合意内容と履行状況に照らし採用できない。反訴請求については、控訴人が被控訴人会社に対し未払業務委託料約485万円の支払義務を負い、また控訴人が会員契約で禁止された類似標章「ビハイング」の商標登録を行ったことが同契約25条3項に違反するとして違約金500万円の支払義務を認め、合計約985万円の支払を命じた原判決を維持した。