AI概要
【事案の概要】 被告人X(父親)及び被告人Y(娘Bの交際相手)が、A(Xの元妻)、B(XとAの娘)及びC(XとAの息子)と共謀の上、Bの元交際相手であり動画配信者の被害者(当時46歳)を殺害し、死体を遺棄した殺人・死体遺棄の事案である。被害者はBに対する脅迫行為や金銭トラブル、BやBの家族を中傷する配信等を行っており、Bは精神的に追い詰められて自殺未遂をしていた。共犯者らは事前に殺害方法や役割分担を話し合い、スーツケース等の道具を買いそろえた上、令和5年12月15日夜、被害者をA方に呼び出して睡眠薬入りコーヒーで眠らせ、結束バンドで首を絞めて絞頸による窒息死させた。その後、死体をスーツケースに入れて多摩川河川敷まで運搬し、多摩川に投棄して遺棄した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、事前の話合いや準備が被害者の死亡結果発生の危険性を高めるものであり悪質性が高いとした。経緯において被害者の言動がBの生活環境や精神状態に影響を与えたことは認めつつも、金銭トラブルは交際当事者同士の問題であり、被害者も一部弁済していたこと、犯行前には被害者がBらに関わらない旨の意思を表明していたこと等から、被害者に落ち度があったとまでは評価できないとした。被告人Xについては、犯行をやめるよう直前まで働きかけていたこと、子を思う親心から犯行に加わった心情は理解できること等を有利な事情としつつ、犯行方法のアイデア提供や絞首行為の実行は自らの意思によるもので厳しい非難に値するとした。被告人Yについては、道具の準備や死体の運搬・投棄を積極的に担い、被告人Xを犯行に引き入れるなど、被告人Xより責任が重く、その差は刑期2年程度とした。両被告人とも共犯者全体の中で最も重い責任を負う立場にはなく、反省と謝罪の意思も考慮し、被告人Xを懲役13年(求刑16年)、被告人Yを懲役15年(求刑18年)に処した。