AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社ジンズの親会社)が、被告ら(株式会社インターメスティック及びその完全子会社である株式会社ゾフ)に対し、磁着式跳ね上げ眼鏡用前枠に関する4件の部分意匠権(本件意匠権1〜4)の侵害及び不正競争防止法2条1項3号(形態模倣)に基づき、損害賠償合計1億円を請求した事案である。原告は令和2年3月に原告商品の販売を開始し、被告ゾフは令和4年6月に被告商品の販売を開始した。 【争点】 (1) 本件各意匠と被告意匠との類否(争点1-1)、(2) 本件各意匠の無効理由の有無(争点1-2)、(3) 原告商品と被告商品の形態模倣の成否(争点2)、(4) 原告の損害額(争点3)。被告らは、意匠非類似のほか、意匠の不明確性、創作容易性、機能確保に不可欠な形態であること等を無効理由として主張した。 【判旨】 裁判所は、本件意匠1・2・4と被告意匠は類似すると判断した。いずれも庇部及び切り株状部の基本的構成態様が要部であり、被告意匠はこれらの要部において共通し、差異点は微差にとどまるとした。一方、本件意匠3については、被告意匠では眼鏡本体部側磁着当接面に略円形状に区画可能な領域が存在せず、要部に関わる差異が美感の共通性を凌駕するとして非類似と判断した。無効理由についてはいずれも排斥した。形態模倣については、原告商品が優美・繊細な印象を与えるのに対し被告商品は武骨さや力強さを感じさせるなど、眼鏡リム部の形状、鼻パッド、色彩、ヒンジ部等の差異により実質的同一性を否定した。損害額については、被告商品の売上約2102万円、限界利益率60%とした上で、本件各意匠が部分意匠であり商品全体の美感への影響が限定的であること等から貢献割合を10%とし、弁護士費用を含め合計138万7668円の賠償を認容した。