関税更正請求棄却決定取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 液体輸送用容器(金属製タンクに金属製外枠が付属する「タフテナ」)を中国から輸入した原告が、これらの貨物は有税(税率3.3%)の関税率表第73.09項「鉄鋼製の貯蔵タンクその他これに類する容器」ではなく、無税の関税率表第86.09項「コンテナ」に該当するとして更正の請求をしたところ、大阪税関α出張所長及び名古屋税関長からそれぞれ更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けたため、①通知処分の取消し、②納付すべき税額の更正の義務付け、③過納金及び還付加算金の支払を求めた事案である。 【争点】 本件各対象製品が関税率表第86.09項の「コンテナ」に該当するか否かが争点となった。具体的には、同項に該当するために「車両等に固定するための機能」を有する取付具が必要か、また本件各対象製品の外枠が関税率表解説にいう「サポート等の取付具」に該当するかが問題となった。被告は、E-NOTEの「securing」の語義から車両等に固定する機能を持つ取付具が必須であると主張し、原告はそのような限定解釈は不当であると主張した。 【判旨】 裁判所は原告の請求をすべて認容した。まず、関税率表第86.09項及び関税率表解説の文言から、「車両等に固定するための機能」を有する取付具が必要であるとの解釈を導き出すことは困難であるとした。E-NOTEの「securing」について、被告主張の「固定する」との読みもあり得るが、日本の関税率表解説では「安全性」と訳されており、後者の読み方が正当であると判断した。その上で、本件各対象製品の金属製外枠は、タンクを保護し、フォークリフトによる荷扱いを容易にする4方向フォークポケットを備え、外枠上部にラッシングベルト等を巻き付けて車両に固定できる構造を有しており、「サポート」として「取付具」に該当すると認定した。さらに、反復使用が想定された頑丈な構造であること等から、第86.09項の全要件を満たすと判断し、通知処分を取り消すとともに更正の義務付け及び過納金等の支払を命じた。
裁判要旨
ある容器が関税率表第86.09項の「コンテナ(液体輸送用のものを含むものとし、一以上の輸送方式による運送を行うために特に設計し、かつ、装備したものに限る。)」に該当するか否かの判断に当たっては、関税率表解説第86.09項に即して判断するのが相当であるところ、関税率表第86.09項や関税率表解説第86.09項の文言から、「車両等に固定するための機能」が必要であるとの解釈を導き出すことは困難であり、関税率表第86.09項に該当するためには、「車両等に固定するための機能」を有する取付具が必要とはいえない。