債務不存在確認等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 株式会社SHIFFONの訴訟承継人である原告が、米国スケートボーダー兼アーティストBiのブランド管理会社TULUMIZEとのマスターライセンス契約に基づき、Biのイラスト「エンジェル」及び氏名標章を使用した商品を製造・販売していたところ、被告会社サクラインターナショナルが、自社が著作権及び商標権を有すると主張し、原告の取引先バイタルジャパンに対して権利侵害を理由とする警告書を送付した。原告は、被告会社に対する著作権侵害・商標権侵害に基づく債務不存在確認、不正競争防止法に基づく虚偽事実告知の差止め及び損害賠償等を求めた。 【争点】 (1) 被告会社が本件著作権を取得したか。具体的には、エンジェルのイラストがBiとCiの共同著作物又はCujo社の職務著作物に当たるか、また被告会社が音楽制作契約やCujo・Ciとの権利譲渡契約を通じて著作権を取得したか。(2) 被告会社が本件各商標権に基づき原告に権利行使できるか。ライセンス契約に基づく返還義務の有無及び権利濫用の成否。(3) 被告会社の警告書送付が不正競争防止法2条1項21号の不正競争に該当するか。(4) 損害額。 【判旨】 裁判所は、本件著作物はBiが単独で創作したものであり、Ciの関与は認められず共同著作物には当たらないと判断した。Cujoは節税目的で設立された法人で事業実態がなく、Biに対する指揮監督もなかったことから、職務著作物にも該当しないとした。音楽契約2条3項は、音響作品とアーティストのプロモーション目的でカバーアートをTシャツ等に複製・販売する独占的ライセンスを定めたものにすぎず、著作権の譲渡を定めたものとは解釈できないとして、被告会社による著作権取得を否定した。商標権については、被告会社の関連会社サクラグループがBiとのライセンス契約11条に基づき商標権の返還義務を負っていたところ、Biの再三の返還要求にもかかわらず、契約終了後も商標権を保持し続け、サクラグループから被告会社に移転するなどしていたことから、被告会社が原告に対し商標権を行使することは権利濫用に当たるとした。被告会社の警告書送付は虚偽事実の告知として不正競争に該当するとし、無形損害100万円及び弁護士費用10万円の合計110万円の賠償を命じた。被告個人については不正競争を認めず、謝罪広告の請求も棄却した。