AI概要
【事案の概要】 TikTokでコスプレ動画等を投稿するインフルエンサーである原告が、被告がInstagram上で原告の動画から静止画像を無断で抽出・投稿した行為について、著作権(複製権・公衆送信権)侵害及び名誉感情侵害の不法行為に基づき、合計150万7000円の損害賠償を求めた事案である。被告は、原告のセーラームーンのコスプレ動画から抽出した画像と加工なしの顔写真を並べ「コスプレエフェクトあり」等と記載した投稿や、ライブ配信動画の画像に「エフェクトなし」と記載した投稿を行った。原告はフォロワー約18万人を擁し、年間約1000万円の収益を上げるアカウントを運営していた。 【争点】 ①著作権侵害の成否(争点1):被告はTikTokのシェア機能による利用であり転載禁止の記載もなかったと主張。②名誉感情侵害の成否(争点2):原告は容姿を揶揄し女性・インフルエンサーとしての尊厳を毀損すると主張、被告はファンとして応援目的であったと反論。③損害額(争点3):ライセンス料相当額、発信者情報開示費用77万円、弁護士費用等の各損害額が争われた。 【判旨】 裁判所は、著作権侵害を認め、名誉感情侵害は否定した。著作権侵害について、TikTokの規約等により著作権行使が制限されることを認める証拠はなく、シェア機能の存在をもって著作権侵害が否定されるものではないと判示した。名誉感情侵害について、各投稿が原告に不快感を覚えさせることは推認し得るものの、誹謗中傷や人格攻撃と明確に理解し得る記載はなく、社会生活上受忍すべき限度を超える侮辱とまではいえないとした。損害額は、ライセンス料相当額9万円(1画像当たり3万円×3枚)、発信者情報開示費用30万円、弁護士費用3万9000円の合計42万9000円を認容した。