AI概要
【事案の概要】 原告は、円形状のダイヤモンド石の色彩が無色から青色蛍光に変化する様子を3秒間で表した動き商標について、指定役務を第35類「宝飾品の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」として商標登録出願をしたが、拒絶査定を受けた。拒絶査定不服審判(不服2024-2424号)でも「本件審判の請求は、成り立たない」との審決がされたため、その取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。審決は、本願商標が商標法3条1項6号(需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標)に該当すると判断したものである。 【争点】 本願商標の商標法3条1項6号該当性(自他役務識別力の有無)が争点である。原告は、①ダイヤモンド石の青色蛍光は一般消費者に慣れ親しまれておらず識別力を有する、②「クリアな輝きから徐々にベリーストロングの青色蛍光に変遷する」演出は原告の特許に係る宝飾箱でしか実現できず、原告に独占使用させない公益上の要請はないと主張した。被告(特許庁長官)は、蛍光ダイヤモンドの色彩変化を動画等で示すことは広く採用されている一般的な演出手法にすぎず、変化速度の違いも識別標識として機能しないと反論した。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、ダイヤモンドの蛍光性は鑑定書にも記載され、蛍光性の強弱が顧客の商品選択の要素となっている取引実情を認定した上で、光照射により色彩が変化する様子を動画・画像で示すことは宝飾品業界で広く採用されている演出手法であると認定した。本願商標は、取扱商品の品質・特徴等を表す宣伝広告と理解されるにとどまり、自他役務の識別標識とは認められないと判断した。原告のウェブサイト閲覧確率に関する主張は抽象的な確率の指摘にすぎず失当とし、色彩変化の速度も人為的にコントロール可能であって識別力を生じさせるものではなく、原告のみが当該変化を生じさせ得るとの証拠もないとして、各主張を退けた。