債務不存在確認請求、損害賠償請求反訴控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 控訴人(有限会社)が、ETC車専用出入口における車両誘導システムに関する3件の特許権(親出願特許、第4世代特許、第7世代特許)を有し、被控訴人(東日本高速道路株式会社)が設置・使用する各設備(スマートインターチェンジ等のETC関連設備)がこれらの特許権を侵害すると主張した事案である。被控訴人が本訴として債務不存在確認を求め、控訴人が反訴として損害賠償1000万円を請求した。原審(東京地裁)は、本訴請求の一部を認容し反訴請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 主たる争点は、被控訴人の各設備が親出願特許の構成要件2E及び第7世代特許の構成要件4Fを充足するか否かである。構成要件2Eは、ETCによる料金徴収が不可能な車両を「再度ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段」を備えることを要件とし、構成要件4Fはこれに「に通じる第2のレーン」との文言を加えたものである。控訴人は、「一般車用出入口」には隣接する別のインターチェンジの一般車用出入口も含まれると主張し、また、車両が一般道路に出た後にUターンしてETC車専用入口手前に戻ることが可能であることをもって「誘導」に当たると主張した。 【判旨】 控訴棄却。知財高裁は、明細書の【図11】及び対応する段落の記載を検討し、隣接する別のインターチェンジの一般車用出入口やそこへの誘導手段は何ら記載されていないとして、構成要件2E・4Fの「一般車用出入口」を車両誘導システムが設置されている施設自体のものに限定する原審の解釈を維持した。スマートインターチェンジを利用できなかった車両が近隣の一般車用出入口を利用することは、スマートインターチェンジの性質上の当然の結果にすぎず、誘導手段による誘導の結果とはいえないと判断した。また、設備内にUターンを指示する標識等が存在しない以上、運転者の意思による走行を誘導手段によるものと評価することはできないとした。構成要件4Fについても同様に充足を否定し、原告各設備は本件各発明の技術的範囲に属しないと結論づけた。