商標登録取消決定取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、フィンランド発祥の投てき競技「モルック(MOLKKY)」の用具製造販売会社である原告(タクティックゲームス社)が、「モルック」の標準文字からなる商標(登録第6720210号)について、特許庁が登録異議申立てに基づき第28類(ゲーム用具等)及び第41類(全指定役務)の商標登録を取り消す決定をしたことに対し、その取消しを求めた商標登録取消決定取消請求事件である。原告は、「モルック」は自社が権利を有する投てきゲームの出所表示であり一般名称ではないと主張し、商標法3条1項3号(記述的商標)及び同条2項(使用による識別力の獲得)の各該当性判断の誤りを取消事由として争った。 【争点】 (1) 商標法3条1項3号該当性の判断の誤り:「モルック」が投てき競技の一般名称として需要者に広く認識されていたか、それとも原告の出所識別標識としての機能を有していたか。原告は、「モルック」は造語であり、日本モルック協会等による普及活動も原告のライセンスの下で行われたものであると主張した。(2) 商標法3条2項該当性の判断の誤り:仮に3条1項3号に該当するとしても、使用の結果、需要者が原告の業務に係る商品・役務と認識するに至っていたか。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、「モルック」の語は辞書・事典に投てき競技の名称として掲載され、令和2年以降、地方公共団体・企業・各種団体等の多様な主体による大会・体験イベントの開催、新聞・テレビ等の報道を通じ、遅くとも令和4年頃までには一般消費者を含む需要者に本件競技の名称として相当広く知られ定着していたと認定した。原告が権利承継者であることや日本モルック協会との使用許諾関係は、一般消費者における「モルック」の出所識別力を基礎づけるものではなく、原告以外の事業者による用具製造販売や自作事例の存在も一般名称としての認識を裏付けるとした。3条2項についても、原告の出所識別標識として需要者に知られていた事情は認められないとして、本件決定の判断に誤りはないと結論づけた。