下級裁
現住建造物等放火、殺人被告事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、北海道北広島市所在の無料低額宿泊所「C」において、被告人が施設管理者A(当時71歳)ら入居者が現にいる同施設に放火してAを殺害しようと考え、他の入居者B(当時51歳)らが死亡する可能性を認識しながら、令和4年9月30日午前5時30分頃、自室及び2階廊下に灯油をまいた上、ライターで紙片に火をつけカーテンに点火して施設を全焼させ、A及びBを焼死させたとして、現住建造物等放火及び殺人の罪で起訴された事案である。争点は被告人の犯行当時の責任能力であり、検察官は起訴前鑑定(D鑑定)に基づき完全責任能力を、弁護人は裁判所鑑定(E鑑定)に基づき心神喪失を主張した。 【判旨(量刑)】 無罪(求刑:懲役30年)。裁判所は、D鑑定が診断するせん妄の前提となる薬剤の過量服用・変更・中止について、関係証拠上いずれも可能性の域を出ず断定できないとした。また、D鑑定は犯行当夜の火の粉の幻視や継続的恐怖感の検討が欠落し、犯行直後・勾留中の激しい妄想的言動の分析も不十分であると指摘した。これに対しE鑑定は、犯行当時の幻覚妄想を網羅的に評価し、了解不可能な一次妄想(真正妄想)と認定した点で合理的であるとした。犯行態様については、施設全体への放火という迂遠な方法の選択、「逃げろ」と叫んだ行動、犯行後に現場にとどまった行動等の不合理性を認定し、個々の行動が合目的的に見えても発端が異常な幻覚妄想に起因する以上、責任能力の根拠とはできないとした。被告人にAへの殺害動機となるほどの恨みはなく、犯行は平素の人格と異質であることも踏まえ、行動制御能力が失われていた疑いが残るとして心神喪失を認定し、刑法39条1項により無罪を言い渡した。
※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。