損害賠償等請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 控訴人サクラインターナショナル株式会社(控訴人SI)及び控訴人サクラグループ有限会社(控訴人SG)が、被控訴人(アーティスト)に対し、不法行為に基づく損害賠償1億円、アルバムカバーアート等の著作物に係る日本及び米国における著作権の帰属確認、商標権の返還義務不存在確認等を求めた本訴と、被控訴人がライセンス契約に基づき商標権移転登録手続を求めた反訴からなる事案の控訴審である。原審は本訴請求を棄却・一部却下し、反訴請求を認容したため、控訴人らが控訴した。 【争点】 (1) 著作権の原始的帰属(職務著作該当性)の準拠法及びその判断、(2) 音楽契約2条3項に基づく著作権(複製権・譲渡権)の移転の有無、(3) 宣伝目的に限定された複製権・譲渡権の確認の利益及びその存否、(4) ライセンス契約11条に基づく商標権返還義務の存否及び時効取得の成否、(5) 被控訴人によるサブライセンシー等への警告書面送付行為の違法性。 【判旨】 控訴棄却(一部訴え却下)。知財高裁は、まず商標登録無効審決の確定により本件商標3のA・4・5に係る商標権は初めから存在しなかったものとみなされるため、これらに関する訴えを却下した。著作権の帰属については、職務著作の準拠法は保護国法とするのが相当であり、Cujo社には事業実態がなく被控訴人への指揮監督もなかったことから、日本法上も米国法上も職務著作は成立しないと判断した。音楽契約2条3項の文言は、著作権の譲渡ではなく独占的使用権の付与にとどまると解し、控訴人SIへの著作権移転を否定した。宣伝目的限定の複製権等については確認の利益を認めたものの、実体的に理由がないとして棄却した。商標権返還義務についても、ライセンス契約11条の文言から控訴人らの返還義務を肯定し、時効取得の主張も排斥した。不法行為に基づく損害賠償請求についても、情報提供の事実を認める証拠がなく、警告書面の送付は真実性・公益目的により違法性が阻却されるとして、控訴人らの請求をいずれも退けた。