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下級裁

旅券不発給処分無効確認等請求事件

判決データ

事件番号
令和4(行ウ)182
事件名
旅券不発給処分無効確認等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2025年9月30日

AI概要

【事案の概要】 日本国民として出生した原告は、2008年(平成20年)4月2日、自らの申請によりカナダ市民権を取得した。その後、父の介護等のため日本に帰国し、2019年12月に一般旅券の発給を申請したところ、外務大臣は2020年6月22日、国籍法11条1項(自己の志望により外国の国籍を取得したときは日本の国籍を失う)に該当するとして旅券不発給処分(本件処分)をした。原告は、主位的に、国籍法11条1項は憲法に違反し無効であると主張して、日本国籍の確認、本件処分の無効確認、旅券発給の義務付け及び国家賠償(904万円)を求め、予備的に、法務大臣が国籍喪失届を不受理として在留資格を付与しなかったことの違法を理由に国家賠償を求めた。 【争点】 主要な争点は、国籍法11条1項の憲法適合性である。具体的には、(1)同項が憲法10条の委任の範囲を逸脱するか、(2)憲法31条の適正手続保障に違反するか(国籍喪失につき「真実の離脱意図」の証明が必要か)、(3)憲法98条2項・11条に違反するか(専断的国籍剥奪の禁止は国際慣習法か)、(4)憲法13条・22条2項が「日本国籍を離脱しない自由」を保障しているか、(5)憲法14条1項に違反する差別的取扱いがあるか(志望取得と当然取得・生来的取得・帰化との間の区別の合理性)、(6)立法不作為及び周知義務違反の国賠法上の違法性が争われた。 【判旨】 裁判所は原告の請求をすべて退けた。憲法10条は国籍の得喪要件を立法府の裁量に委ねる趣旨であり、自己の志望による外国籍取得を理由に当然に日本国籍を喪失させる規定が同条の委任範囲外とはいえないとした。憲法22条2項の国籍離脱の自由は、国籍からの離脱を国家が妨げないという消極的権利にとどまり、「日本国籍を離脱しない自由」や「国籍保持権」を積極的に保障するものではないと判示した。審査基準として、立法目的の合理性と手段の合理的関連性を採用し、国籍法11条1項の立法目的は重国籍の発生防止と国籍変更の自由の保障にあり合理的であること、自己の志望により外国籍を取得する者は取得前に国籍選択の機会があり当然取得等と場面が異なるため手段にも合理性があること、同様の理由で憲法14条1項の差別にも当たらないことを説示した。国家賠償請求についても、同項の違憲性が認められない以上、立法不作為の違法も認められず、周知徹底義務も法的義務とはいえないとして排斥した。旅券発給義務付けの訴えは訴訟要件を欠き不適法として却下し、その余の請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。