AI概要
【事案の概要】 本件は、地方自治体であるa町の建設部建設課技師であった被告人Aが、同町が発注する随意契約(簡易外注による公共工事請負契約)において見積業者の選定等の職務に従事していたところ、舗装工事等の請負を目的とするC株式会社の代表取締役であった被告人Bから、同社が受注できるよう有利かつ便宜な取り計らいを受けたことへの謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下に、令和5年1月26日から令和6年10月10日までの約1年8か月間に8回にわたり、デリバリーヘルスの遊興等の接待及び現金合計20万2790円相当の賄賂を収受し(収賄)、被告人Bがこれを供与した(贈賄)という事案である。a町では簡易外注の手続等が事実上担当職員に委ねられており、意中の業者に発注することが容易な状況にあった。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人Aを懲役1年2月(執行猶予3年)、被告人Bを懲役10月(執行猶予3年)に処し、被告人Aから20万2790円を追徴した。量刑の理由として、賄賂の額は合計20万円余りと少額ではなく、被告人Aが担当した被告人Bの会社に対する簡易外注の発注が本件賄賂の授受と連動して件数・金額ともに急増していることから、公務に対する信頼及び職務の公正が害された程度は軽視できないとした。被告人Aについては、遊興接待を受けて以降発注を増やし、次第に自ら接待等を要求するようになった利欲的な動機を指摘し、被告人Bについては、利益率の高い簡易外注工事を多く受注したいという動機に酌むべき点はなく、実際に多数受注し利益を享受したと認定した。他方、被告人両名が事実を認め反省していること、前科がないこと、被告人Aが懲戒免職処分を受けていること、被告人Bの妻が監督を誓約していることなどの酌むべき事情を考慮し、同種事案の量刑傾向も参照して上記量刑を導いた。