殺人、死体遺棄、窃盗、電子計算機使用詐欺
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人は、動画配信者の被害者(当時46歳)と交際していたが、被害者から性的画像を用いた脅迫や被告人及びその家族に対する誹謗中傷を受けるようになった。被告人は弁護士や警察に相談したものの期待する解決が得られず、精神的に追い詰められた末、被害者の殺害を決意した。被告人は母親A、交際相手B、父親C及びDと共謀し、令和5年12月15日夜から翌16日未明にかけて、東京都大田区のA方居室内で、被害者に睡眠薬を混入したコーヒー飲料を飲ませて眠らせた上、頸部を結束バンドで絞め付けて窒息死させた。さらに死体をスーツケースに入れて多摩川河川敷まで運搬し、多摩川に投棄して遺棄した。犯行後、被告人は被害者のキャッシュカードを使用してATMから合計約20万5000円を窃取し、被害者のスマートフォンの電子決済アプリを不正操作して電子マネー合計約1万5417円分を詐取した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、殺人及び死体遺棄について、共犯者らが事前に殺害方法や隠蔽方法を計画し、役割分担の上、睡眠薬で眠らせた無防備な被害者に5名で犯行に及んだ点で悪質性が高いと認定した。被告人は実行行為を担っていないものの、BやCに「自分が死ぬか被害者が死ぬかの二択」と述べて殺害を決意させ、スーツケース・重り・睡眠薬等の道具を自ら用意するなど、殺害に向けた流れの中心にいた主導的立場と位置づけた。被害者の誹謗中傷により精神的に追い詰められた事情や母親Aの影響は有利に考慮すべきとしつつも、最終的に自らの意思で殺害を選択した点は厳しい非難に値するとした。犯行後の窃盗・電子計算機使用詐欺についても犯情が悪いとし、反省が真摯とは認められないことも踏まえ、求刑懲役19年に対し、懲役17年(未決勾留300日算入)を言い渡した。