特別地方交付税の額の決定取消請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被控訴人(地方団体)は、令和元年度の第1回目及び第2回目の特別交付税の額の決定を受けたが、その算定方法の特例を定めた特別交付税に関する省令附則5条21項及び7条15項(本件各特例規定)が、地方交付税法15条1項の委任の範囲を逸脱した違法・無効なものであるとして、本件各決定の取消しを求めた。本件各特例規定は、ふるさと納税寄附金を特別交付税の減額要因として算定に組み込むものである。原審は本件各決定を取り消し、控訴人(国)が控訴。差戻し前控訴審は法律上の争訟に当たらないとして訴えを却下したが、最高裁が破棄差戻しし、本件は差戻し後の控訴審である。 【争点】 主な争点は、①本件訴えの適法性(法律上の争訟性、抗告訴訟対象性、訴えの利益の存否)及び②本件各特例規定が地方交付税法15条1項の委任の範囲を逸脱した違法なものか否かである。控訴人は、特別交付税の交付決定は行政主体間の税の配分に関する紛争であり法律上の争訟に当たらないと主張し、また、同項の文理上、基準財政収入額の算定項目に含まれない財政収入額を勘案することは委任の範囲内であると主張した。 【判旨】 控訴棄却。当裁判所は、最高裁令和7年2月27日判決に従い、地方団体が特別交付税の額の決定の取消しを求める訴えは法律上の争訟に当たると判断した。また、地方交付税法15条1項の文理について、「基準財政収入額の算定過少」とは法定された算定項目の範囲内での過少を意味し、算定項目に含まれない財政収入を減額要因として考慮することは同項の委任の範囲外であると判示した。ふるさと納税寄附金は「寄附金税制の応用」として創設され、地方交付税が減少しないことが前提とされていた経緯にも照らし、本件各特例規定は同項の委任の範囲を逸脱した違法・無効なものであり、これに基づく本件各決定も違法であるとして、原判決を維持した。